7 【福祉部長(松井英治)】
戦没者慰霊施設についてでございます。遺族会を初め、各地区への聞き取りによりますと、市内には約50基を超える慰霊碑等が設置されておりますが、明治時代を初め、古くに設置された慰霊碑等も多く、維持管理を初めとしました課題があると認識しております。慰霊碑等への対応につきましては、遺族や地域住民の方々、また関係者の
アンケート実施等を踏まえまして、遺族の会及び
地区社会福祉協議会の事務を担当している前橋市
社会福祉協議会とともに、追悼式の見直しとあわせて来年度に議論してまいりたいと考えております。
8 【29番(
金井清一議員)】 来年は5月に元号も改まり、昭和は2世代前の元号となる年を迎えます。遺族会の高齢化に伴い、
戦没者追悼式、慰霊施設の維持管理についてはそれぞれ各地区の事情もあると思いますので、関係者で早期に協議を始めていただくことを改めて要望させていただきます。
2つ目の質問は、
ふるさと納税についてです。
ふるさと納税は、平成20年度に地方の税制格差の是正やふるさと等、地域への応援を形にする仕組みとして創設された制度です。寄附者が寄附先を選択する制度であることから、寄附先として選んでもらうにふさわしい地域となるため、自治体はみずからのあり方を改めて考え、取り組みをアピールしていく必要があると思います。現在は、制度導入時の真摯な目的から逸脱した、いわゆる返礼品競争が話題になっています。
本市は、
タイガーマスク運動支援事業として
児童養護施設等を退所する子供たちが自立生活を始めるに当たり不足する支度金、1人当たり約15万円の支援や、群馬県において就職の必須条件の一つである
自動車運転免許の取得において、現状の支援で不足する費用を
自動車教習所と連携し、支援するなど、社会性の高い取り組みを実施しています。特に
自動車運転免許の取得支援は、かかる費用の7割を教習所が負担し、市は
ふるさと納税により3割を負担するという仕組みであり、民間の共感と協力により実現した全国に先立つすばらしい事業であると思います。この
タイガーマスク運動支援事業は、昨年11月に
ふるさと納税の寄附金のすぐれた使い道を表彰する
ふるさとチョイスアワード2017で大賞を受賞しました。平成29年度の
寄附受け入れ総額1億6,600万円のうち、約15%に当たる2,500万円が同事業支援のために選ばれ、全国から賛同を受けていると思います。このように本市は
ふるさと納税で集まった寄附金を
タイガーマスク運動支援事業に活用していますが、事業実施までの経緯について伺います。
9 【政策部長(稲田貴宣)】
タイガーマスク運動支援事業実施までの経緯でございます。アニメ、
タイガーマスクの主人公、伊達直人の名前でランドセルを
児童養護施設等に贈る
タイガーマスク運動が全国に展開するきっかけをつくった河村正剛氏と山本市長が平成28年12月に意見交換を行った際、河村氏より市内の
児童養護施設から社会に巣立つ子供たちへの公的支援についての実施について要望がございました。このため、関係部署と協議を行った結果、先ほど議員さんからご案内がございましたけれども、
ふるさと納税の寄附金を財源として活用いたしまして、施設対象者が自立するために当面必要となる生活費の一部並びに
自動車運転免許取得の一部を昨年より支援することといたしたものでございます。
10 【29番(
金井清一議員)】 次に、今までの
タイガーマスク運動支援事業の実績について伺います。
11 【福祉部長(松井英治)】 事業を実施しております福祉部よりお答えさせていただきたいと思います。初めに、
自立生活支度金支給事業につきましてです。平成28年度の実績でございますが、就職の進路7名の方から支給申請があり、審査の結果、7名全ての方に支給決定を行いました。平成29年度につきましては、就職の進路7名、進学の進路1名の方から支給申請があり、審査の結果、8名全ての方に支給決定を行いました。
続きまして、
自動車運転免許取得支援事業につきましてです。平成29年度からの実績となりますが、
普通自動車免許につきましては4名の方から支給申請があり、審査の結果、4名全ての方に支給決定を行いました。その後、4名の方全員が免許取得を完了したと報告を受けております。
12 【29番(
金井清一議員)】 家庭環境に恵まれず、社会的養護を受けて生活する子供たちは全国各地に存在し、本市に限らず、社会全体で解決すべき問題の一つであると思います。社会課題に対して、みずからが行動に移すことができる
ふるさと納税による社会貢献と企業のCSR活動を組み合わせた官民連携による課題解決の仕組みは本市ならではの特徴あるものであり、この仕組みを通じて全国に賛同者の輪が広がり、社会課題を解決する機運が育つとよいと思いますが、
タイガーマスク運動支援事業における今後の取り組みについて伺います。
13 【政策部長(稲田貴宣)】
タイガーマスク運動支援事業における今後の取り組みについてでございます。本市の
タイガーマスク運動支援事業は、先ほど議員さんからもお話がございましたとおり、おかげさまで全国から賛同いただいておりまして、昨年度は456件、2,500万円余りの寄附をいただいたところでございます。今後は、先ほど答弁させていただきました2つの支援事業を継続するとともに、賛同していただいた皆様のお気持ちを生かす有効な事業展開を
庁内関係課並びに関係機関とともに検討してまいりたいと考えております。
14 【29番(
金井清一議員)】
ふるさと納税の
タイガーマスク運動支援事業に寄附していただいた方は、施設にいる子は、自分のせいでない理由で施設にいます。全ての子供たちが幸せな未来を歩めますよう祈っています。また、施設関係者は、全国に君たちを応援してくれる人がたくさんいると声をかけることができたなど、お話をいただいているようです。
ふるさと納税を利用した官民連携の
タイガーマスク運動支援事業が全国に広がることを期待します。
また、
自動車運転免許取得支援については、
自動車教習所も地域や施設の過去の事情もあることから、今後ふえることに働きかけをしていただけるよう要望いたします。
3つ目の質問は、教育、スポーツについてです。
イングリッシュビレッジ前橋について伺います。平成27年3月末をもって閉校となった旧嶺小学校跡地の有効活用を図るとともに、地域に貢献するために
サウンディング型市場調査を実施し、活用の可能性調査を行い、
公募型プロポーザル方式により事業者を公募しました。その結果、市民の豊かな心を育むまちづくりへの貢献、雇用の増加、周辺観光施設への波及、地域住民にも開放した各種イベント、地域での
ボランティア活動などを地域貢献等に掲げた
イングリッシュビレッジ前橋、英語を使い、楽しく活動しながら英語を学ぶ
英語体験施設が昨年グランドオープンしました。外国人講師による生きた英語を学ぶことができる場所であることから、児童生徒の英語教育での活用は有効だと思います。本市は、今年度より小学校において新学習指導要領を先行実施し、3、4年生で週1時間の外国語活動を、5、6年生で週2時間の英語を実施しているとお聞きしています。そこで、
イングリッシュビレッジ前橋についての今までの活用について伺います。
15 【
指導担当次長(林恭祐)】
イングリッシュビレッジ前橋の今までの活用についてでございますが、市教委ではこれまで各学校に
イングリッシュビレッジ前橋を紹介する機会を設けるとともに、学校の実態に応じた活用を呼びかけており、実際に活用している小学校もございます。また、平成29年度から
中学生海外研修事業におきましてもオーストラリアで経験しそうな場面を想定して外国人講師とやりとりするなど、
イングリッシュビレッジ前橋を活用した事前研修を実施しております。
16 【29番(
金井清一議員)】 子供たちの多くは、英語を十分にアウトプットできない環境で育っています。そんな中、前橋にいながら生きた英語を楽しみながらアウトプットできる場所が
イングリッシュビレッジ前橋であると思います。日本語を使わない独特の環境の中、入国審査、
ホテルフロント、ホームステイ、レストラン、ショッピング、スポーツなどのプログラムがあり、英語教育に有効な刺激を与えられると思います。本市の今後の英語教育のさらなる充実のために、
イングリッシュビレッジ前橋をより積極的に活用してはどうかと思います。そこで、
イングリッシュビレッジ前橋についての今後の活用について伺います。
17 【
指導担当次長(林恭祐)】
イングリッシュビレッジ前橋の今後の活用についてでございますが、ご指摘のとおり、子供たちが外国人講師による生きた英語に触れ、楽しみながら学ぶ中で、
コミュニケーション能力の育成を図ることは非常に大切なことであると考えております。市教委では、今後も引き続き各学校に
イングリッシュビレッジ前橋を紹介する機会を設け、各学校の実情に応じてその有効活用が図られるよう、働きかけていきたいと考えております。
また、
中学生海外研修事業に参加する生徒が外国の空港やレストランなどの模擬体験ができる貴重な機会ですので、今後も
イングリッシュビレッジ前橋を活用した事前研修を実施していきたいと考えております。
18 【29番(
金井清一議員)】 現在では、世界人口の4分の1の人が英語を使い、世界人口の半分の人がインターネットにアクセスしています。その中で、日本の英語力はアジアでも低く、21世紀の国民教育は読み、書き、IT、グローバルとも言われています。IT世界はほとんど英語ですので、子供たちのこれからを思うと、情報収集と発信に英語を使えるかどうか、日本の歴史や文化を英語で伝えることができるかが英語教育のキーワードになると私は思います。本市の子供たちが貴重な体験ができる
イングリッシュビレッジ前橋を活用し、英語力が向上することを期待しています。また、活用に向けての課題である予算面についての協議も引き続き検討されるよう要望いたします。
次に、部活動について伺います。2月にスポーツ庁から運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインが示され、その後、4月に群馬県教育委員会から、6月に
本市教育委員会からも適正な部活動の運営に関する方針が策定、公表されました。それらを受け、現在各学校で学校の部活動の方針を策定しているところとお聞きしています。そこで、市の方針を策定、公表してから3カ月がたちますが、方針策定後の学校の
取り組み状況や保護者からの反響について伺います。
19 【
指導担当次長(林恭祐)】 方針策定後の学校の
取り組み状況についてでございますが、市の方針を策定、公表後、各学校ではそれぞれの実情に合わせて学校の方針を検討し、9月中の策定実施に向けて取り組んでいるところでございます。
また、保護者からの反響についてでございますが、市の運営方針が策定された後、市民の方々から子供たちの健康や安全面、ゆとり時間の確保などの面から賛同のご意見を頂戴しております。一方で、運営方針がしっかり守られていくのか心配しているというお話も頂戴しております。今回の方針は部活動の意義をきちんと受けとめて、適正に部活動を実施するためのものです。今後各学校が策定した部活動の方針が生徒だけでなく、保護者や地域にも周知され、適正な部活動の運営がなされるよう、市教委といたしましても各学校へ働きかけていきたいと考えております。
20 【29番(
金井清一議員)】 学校における部活動だけでなく、硬式野球やサッカー、卓球などの地域の
クラブチームに所属し、活躍している生徒がふえてきているとお聞きしています。それぞれの競技について、中学生の段階から専門的な指導を受け、熱心に取り組むことは競技のレベルを上げることに大変有効であると思います。このことについて、教育委員会はどのように考えているのか見解を伺います。
21 【
指導担当次長(林恭祐)】 生徒の
クラブチームへの参加についてでございますが、スポーツが多様化し、子供たちの興味や関心も広がってきており、学校における部活動だけでは賄い切れない状況が生じております。また、各部活動の顧問も子供たちによりよい指導を行うために努力を重ねてはおりますが、それぞれの競技の専門的な技術指導ができる顧問ばかりではないという現実もございます。競技力をより高めていくために、
クラブチームで専門的な指導を受け、自己実現を図ることは大変意義のあることであると考えております。市教委といたしましては、部活動と
クラブチーム、それぞれのよさを生かしながら、競技力の向上だけでなく、子供たちの健全な育成を図っていってほしいと、このように考えております。
22 【29番(
金井清一議員)】 2028年の第83回
国民体育大会と第28回
全国障害者スポーツ大会が群馬県で開催されることが内々定を受けていますが、本市の選手が活躍することが市民に活力を与え、本市が盛り上がることになると思います。そこで、ジュニア選手の育成に向けた政策等について伺います。
23 【
文化スポーツ観光部長(川端利保)】 ジュニアの選手の強化育成につきましては、
一般財団法人前橋市
スポーツ協会が
ジュニア育成支援事業といたしまして、昨年から各競技団体に意向調査を行いまして、本年度は12競技団体で高校生以下を対象とした教室を開催しております。また、
公益財団法人群馬県
スポーツ協会におきましても2011年から小学4年生以上を対象に五輪や国際大会で活躍するトップレベルの選手輩出をすることを目的としまして、
ぐんまスーパーキッズプロジェクトを行っております。本年度は10競技団体で活用していると伺っております。本市としましても、前橋市
スポーツ協会、各競技団体、関係団体等と連携しながら、選手の強化育成を支援してまいりたいと考えております。
24 【29番(
金井清一議員)】 スポーツについては、
日大アメフト部の話題から連続して耳の痛い話が続いていますが、改めてスポーツで感動したのは甲子園で快進撃を見せてくれた
秋田県立金足農業高校野球部の活躍でした。ひたむきにスポーツに打ち込む姿に改めて感動したのは多くの皆さんとともに私も同じです。2028年の第83回
国民体育大会と第28回
全国障害者スポーツ大会が群馬県で開催されることは、昭和58年のあかぎ国体以来45年ぶりになります。現在小学2年生が高校3年生になる年代となりますが、2028年の第83回
国民体育大会と第28回
全国障害者スポーツ大会では、
スポーツ協会の応援を受けた本市出身のアスリートが活躍することを期待します。
次に、4つ目の質問は、歴史文化についてです。前橋が生んだ
剣聖上泉伊勢守については、2008年の生誕500年祭以来、県と市に支援いただきながら、地元を中心に顕彰活動が続いています。中でも昨年3月のBS朝日のドラマ、新
陰流上泉伊勢守信綱の放映により、全国へ向け、その歴史的価値を発信できたことは地元一議員として大変うれしく思っています。村上弘明さん、高島礼子さん、田中健さんのほか出演していただき、多くの
地元エキストラの協力を得て、ほとんど群馬県内で撮影を行い、そして貴重な
ふるさと納税を利用させていただき、完成しました。地元顕彰団体では、このドラマ放映をPRの好機と捉えており、ことしに入ってからも5月5日開催の武道大会に合わせて、三夜沢町にある、赤城神社への木造説明板の設置や顕彰団体による新しい
観光パンフレットの作成、上泉氏の末裔を招待しての講演会の開催など、引き続きさまざまな顕彰活動が行われています。このような顕彰、啓蒙活動に対する行政としての
取り組み状況について伺います。
25 【
文化スポーツ観光部長(川端利保)】 上泉伊勢守につきましては、本市の貴重な歴史文化遺産であるため、平成28年度から2年連続で地元の顕彰団体との共催によりまして、新陰流流祖祭を開催しております。特に平成29年度には漫画、お前はまだグンマを知らないの作者、井田ヒロトさんに上泉伊勢守のキャラクターを作成していただき、前橋四公とあわせまして本市を代表する歴史上の人物としてさまざまな場面を活用してPRに努めております。次回の新陰流流祖祭は平成31年度となりますが、イベント内容の充実と幅広くPR活動等に取り組むため、本年度新たに地元住民や団体による実行委員会が組織されましたので、行政として引き続き側面支援してまいりたいと考えております。
26 【29番(
金井清一議員)】 上泉伊勢守の調査研究では、戦国時代、上泉伊勢守の京都での新たな交流関係がわかり、長野県諏訪市に上泉伊勢守の印可状があることもわかりました。そして、
剣聖上泉伊勢守の新しい曲が制作され、10月には発表会が開催されるとお聞きしています。また、地元顕彰団体では、上泉伊勢守ゆかりの地を毎年訪ねていますが、11月には伊勢の北畠神社を訪問する予定だとお聞きしています。地元顕彰団体だけでなく、多くの皆さんがさまざまな角度より情報発信していただけるよう期待しています。
最後に、来年開催の新陰流流祖祭が実行委員会主導により、よいイベントになるよう市の支援を要望して、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
(10番 新井美咲子議員 登壇)
27 【10番(新井美咲子議員)】 順次質問いたします。
子供、子育て支援について伺います。戦後、身寄りのない子供を保護するために、昭和22年に制定されたのが児童福祉法です。戦後73年がたち、平成が終わる今、家族構成の変化、雇用システムの変化、そして人口減少という大きな波で子供や子育てをする環境は大きく変わりつつあります。親と子供世帯の同居が大半であった昭和の時代では、家族で助け合い、支え合ってきました。平成28年には、同居世帯1割までになり、単独世帯が3割近くを占めるようになり、家族内で助け合うことが難しく、社会で支えていかなければならない。こうした社会的孤立の負の連鎖を食いとめていくことが社会保障の重要な課題となっています。このような社会の変化にいつも影響を受けるのが子供たちであると考えます。そこで、平成28年、児童福祉法改正により、子供が権利の主体であり、家庭養育優先の理念が明確に規定をされ、児童虐待への対応について市の役割がこれまで以上に強化、明確化されました。当局のご見解と対応を伺います。
以下、質問席にて伺います。
28 【福祉部長(松井英治)】 児童虐待についてでございます。本市では、平成21年度の中核市への移行の際に、家庭環境の変革等により児童虐待への対応ニーズの高まりを感じていたことから、市が積極的に取り組むべき業務として捉え、児童福祉法改正に先駆けて平成22年3月に軽微な児童虐待対応案件につきまして、中央児童相談所との間に覚書を取り交わし、本市で虐待事案の送致を受けてソーシャルワーク業務を実施してきたところでございます。今回児童福祉法の改正に伴い、新たに児童虐待ケースにかかわる前橋市と中央児童相談所との間における役割分担及び情報共有等に関する取り決め書を交わしました。その結果、昨年度には中央児童相談所で受理した軽度から中度の虐待案件で主担当変更として前橋市に送致された件数は28件ありました。また、虐待対応の受け皿としまして、さらには専門的な相談対応や継続的なソーシャルワーク業務まで行う機能を担う拠点といたしまして、各自治体に対しまして設置が求められております子ども家庭総合支援拠点につきましても既に設置要件が整っておりましたので、平成29年度より福祉部子育て支援課をその拠点として位置づけたところでございます。
29 【10番(新井美咲子議員)】 平成29年度、児童相談所から本市に送致された件数は28件とのことですが、地域や家族とのつながりが減り、孤立した環境で子供を育てざるを得ない親たちにワンストップで子育て相談できるまえばし子育て世代包括支援センターや産後ヘルパー派遣事業などのもろもろの施策で支援し、家庭の中で健やかに子供を育てていけるように、また負担の大きいひとり親世帯を支えていくことが子供を守るために大切な施策であります。そこで、一番身近な行政機関として児童虐待の発生予防に努めなくてはなりませんが、どのような事業に取り組んでいるのか、具体的に伺います。
30 【福祉部長(松井英治)】 児童虐待の発生予防における本市の取り組みについてでございます。児童虐待防止啓発リーフレットを中央児童相談所と協力して作成し、市内各保育所園、幼稚園、認定こども園、小中学校の保護者及び民生委員、児童委員や主任児童委員に配布したところでございます。また、虐待予防のプログラム、ほめて育てるコミュニケーショントレーニングのトレーナー資格を取得した職員が保護者を対象にグループワークを開催しているほか、講義形式の出前講座に加え、要請に応じまして児童虐待予防に関する講座等も実施しているところでございます。さらに、11月の児童虐待防止推進月間におきましては、虐待防止ポスターやリーフレットの配布、懸垂幕の設置、図書館での関連図書コーナーの設置、オレンジリボンの着用等、広く市民へ周知を図っているところでございます。
また、母子保健事業におきましては、出産後における子供へのリスクが高まる可能性がある母親を特定妊婦と位置づけ、保健師とケースワーカーとの連携によりまして、妊娠中からきめ細かい支援を行っております。また、出産後におきましても心身等に問題がある母親に対しましては、母子保健コーディネーターが医療機関と連携し、保健師及び関係者と協議しながら継続的に支援を行っているところでございます。また、産後鬱質問票を活用しまして、母親のメンタル対策にも取り組んでおり、育児が困難かどうかを判断し、状況によっては医療機関と連携しながら継続的に支援し、早期の虐待発見や予防に努めているところでございます。また、さらに乳幼児健診を子供に受けさせない家庭につきましては、虐待リスクが高いことが指摘されていることから、1歳6カ月健診、3歳児健診が未受診の家庭に対しまして、個別に保健師が訪問するなどにより受診勧奨を行うとともに、子供の安全確認の実施に努めているところでございます。
31 【10番(新井美咲子議員)】 さまざまなところで虐待防止に対応されているとのことですが、前橋市相談件数推移から虐待件数を見ますと、平成26年度から徐々に増加し、虐待新規件数、平成29年度は前年度と比べると約2倍の104件となりました。社会的養護を必要とする子供をつくらない、防ぐためにも、母子環境が課題と考えます。
産後の心身の不安定な産婦さんへ産後ケア事業が平成29年度から産後ヘルパー派遣事業として開始され、30人の利用がありました。出産直後の母親の育児不安や負担をサポートすることは、子供を守る上で大切なことであります。出産した女性の10%程度は産後鬱の疑いがあるとされ、対策がおくれれば育児放棄や虐待につながるおそれもあります。出産後の多くの女性は、心身ともに大なり小なり、本人も気づかないうちに平常な精神状態とは言えない状況になると思われます。そのときに、近くに寄り添ってくれるご家族や第三者がいて、ほんの一声かけてでも落ちつく場合や、少しでもストレスが抑制されれば健やかに子育てができます。家族らから十分な家事、育児支援が受けられず、心身の不安を感じている産婦に対して、産婦人科や助産院で宿泊型やデイサービス型の産後ケアを実施すべきと考えますが、ご見解を伺います。
32 【福祉部長(松井英治)】 産後ケア事業につきましてですけれども、母親の産後の心身のケアや育児サポートを行う上で、非常に重要な事業であると考えております。本市におきましても実施場所や実施方法、また専門職の確保なども含めまして、実施に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
33 【10番(新井美咲子議員)】 よろしくお願いいたします。
公明党は、本年4月から3カ月にわたって全国で実施した100万人訪問・調査運動のアンケート結果集計で、子育てでは74%が学費など教育費の負担に不安や悩みを抱えていることがわかりました。また、子育てと仕事の両立に関しても柔軟な働き方を求める声が寄せられました。未来を担う子育て世代の悩みや不安を解消するためにも、働く環境整備の充実が必要です。現在は働くお母さんの増加、女性の就業率が7割に迫る勢いです。保育施設等が充実している地域は、女性の就業率が高いことがわかっています。子育てと仕事の両立をしている女性にとって、子供が病気になることは大きなストレスであり、病児の看護をしたいけれども、仕事を休めないことが一番の葛藤です。
そこで、病児、病後児保育施設の全市域での拡充についてお伺いいたします。ひとり親世帯や市外、県外からの転入した子育て世帯であれば、お子さんが病気になったとき、近くに病児、病後児保育施設があるかないかは働く環境として大きな課題です。総合戦略において充実を図る事業として位置づけられている病児、病後児保育施設の拡充について、ことしの6月に本市2カ所目となる前橋赤十字病院が運営する施設、たんぽぽが開設されておりますが、今年度新たに1カ所の施設整備を計画されていると聞いておりますので、その進捗状況についてお伺いいたします。
34 【福祉部長(松井英治)】 今年度の病児、病後児保育施設の施設整備の進捗状況でございます。国からの施設整備に係る補助金につきまして、平成30年6月28日に内示をいただいているところでございます。これを受けまして、施設設置を予定者に確認いたしましたところ、現在建設業者の入札に向けて準備を進めているというところでございます。今後も工事の施工や事務手続につきまして、適切に助言等を行いながら、今年度中の完成に向けて事務を進めてまいりたいと考えております。
35 【10番(新井美咲子議員)】 女性の社会進出が進んだとはいえ、まだまだ出産を機に仕事をやめる人は少なくありません。ベネッセ教育総合研究所が昨年日本、中国、インド、フィンランドの都市部住民にアンケートを実施したところ、仕事と家庭生活のバランスに対する満足度は日本が44.3%と最低だったことがわかりました。父親の帰宅時間は日本以外の父親の多くは夜8時までに家庭に戻っていることもわかりました。育児休業を取得する男性は2017年度、5.14%と低いままです。夫の家事、育児は手伝うものではなく、共有し、分担するものであるという考え方でなければ、いつまでたっても環境を変えることにはなりません。
明治安田生活福祉研究所の調べで、子育てと仕事を両立するため勤務先に求めることとし、夫が扶養手当等の支給をトップに掲げたのに対し、妻は勤務時間、勤務日数の短縮をトップに掲げていました。この認識の違いこそ、母親の環境が改善されていないと思われます。平成27年からの5年間の子ども・子育て支援事業計画は来年は策定準備となります。子供を中心に、これからの若い女性は結婚、妊娠、出産、子育てと人生の大きな出来事がある中、どのような家族構成や経済状況でも仕事も子育ても悠々と安心してできる社会に変わっていくことにより、人口減少、少子高齢化、社会的孤立の波を乗り越えていけると考えますので、社会で支えていく子供、子育て支援の充実を要望いたします。
次に、市営住宅入居時の
連帯保証人について伺います。最初に、民法改正について伺います。平成29年5月26日に民法の一部を改正する法律が成立し、同年6月2日に公布されました。これまでも一部改正はありましたが、国民にわかりやすいものとする観点から、実務で通用している基本的ルールを適切に明文化することとしたとされていて、明治29年から120年ぶりに大きな改正であり、今回の改正は一部の規定を除き、2020年4月1日から施行されます。そこで、最初に民法改正の市営住宅にかかわる保証契約に関する部分について伺います。
36 【都市計画部長(井上敬二)】 市営住宅に関する民法改正の概要でございますが、今回の民法改正により、債権関係の規定の見直しが行われ、保証契約につきましては個人根保証契約において極度額の設定が必要になったことから、保証人を求める場合にはその額を明確に定める必要があります。また、保証人への情報提供義務が規定されたことを踏まえ、保証人に対して的確に情報提供を行っていくことなどが必要となります。
37 【10番(新井美咲子議員)】 本来は保証人側を保護することになる改正ですが、もともと民間賃貸住宅に比べて家賃も安く設定され、また家賃の支払いが滞った場合は、それほど高額にならないと思われます。しかし、その限度額がたとえ10万円程度だとしても、保証人となる人にとっては漠然としていたものが、今後は具体的な金額を示されることになり、手続のみならず、心理的にも大きな負担となると思われます。今でさえも
連帯保証人を見つけることで入居者が大変な思いをしていることは当局も認識されていることと存じます。今後さらなる少子高齢化の進展により、身寄りのない単身高齢者等がふえ、市営住宅入居時に必要とされる保証人の確保が難しく、結果入居できないといったことにつながります。前橋市営住宅に入居を希望する場合、条例によって
連帯保証人を立てることが定められています。改めて条例では
連帯保証人の責務についてどのように規定されているのか、あわせて
連帯保証人の意義について伺います。
38 【都市計画部長(井上敬二)】
連帯保証人の責務についてですが、前橋市市営住宅管理条例施行規則第7条では、入居者の全ての行為について責任の持てるものと規定しております。具体的には、入居者が家賃を滞納したときや退去に当たり、必要となる修繕義務を履行しない場合に、
連帯保証人がこれを引き受け、履行することとなっております。また、意義についてでございますが、
連帯保証人がいることで入居者の家賃滞納をある程度防げるとともに、滞納繰り越しや不納欠損の削減に対しても必要性があると考えております。
39 【10番(新井美咲子議員)】 総務省の行政評価によると、公営住宅は国土交通省において住宅セーフティーネットの中核として位置づけているものの、高齢者や障害者、生活保護受給者等が保証人の確保ができないことにより、公営住宅への入居を辞退するといった事例が指摘されています。前橋市においても同じように
連帯保証人が見つからず、入居を辞退された例があると伺いました。当局の最大の懸念は、入居者の家賃滞納、移転時の修繕費用面であると理解します。
連帯保証人を削除した場合、家賃支払いの督促等、福祉部とも連携して収入等の状況や入居者の個々の事情を十分に把握し、やむを得ず家賃滞納が発生した場合、家賃の減免や徴収猶予等の負担軽減措置、また家賃債務保証業者登録制度の活用などを含め、
連帯保証人制度改定へ検討を進めるべきと考えます。
その上で、国土交通省は事業主である自治体に対し、公営住宅管理標準条例案では
連帯保証人を必要としないことに改めることと平成30年3月30日付で通知を出しました。抜粋となりますが、住宅に困窮する低額所得者への住宅提供という公営住宅の目的を踏まえると、保証人を確保できないために入居できないといった事態が生じないようにしていくことが必要であり、保証人の確保を公営住宅への入居に際しての前提とすることから転換することを求めています。この通知は、公営住宅を持つ市町村に対しての周知を求めています。そこで、当局の
連帯保証人に関する改定についてのご見解を伺います。
40 【都市計画部長(井上敬二)】
連帯保証人につきましては、先ほど述べましたように、責務や意義があることから、現在義務づけをしているものですが、今回の民法改正や国の方針を受けまして、
連帯保証人に関しては十分に考慮する必要があると考えます。そこで、明確な極度額の設定あるいは保証人の有無などにつきまして、県や他市の動向を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
41 【10番(新井美咲子議員)】 施行まで多少時間があり、庁内でこれからの議論かと思われますが、福祉部とも連携をされて、管理の都合より市民の福祉を優先に、ぜひともご検討ください。
次に、今後の市営住宅のあり方で終活について伺います。最初に、市営住宅の入居世帯数、ひとり暮らしの高齢者世帯数及び生活保護世帯数、それぞれ伺います。
42 【都市計画部長(井上敬二)】 市営住宅の9月1日現在の入居者数は4,101世帯でございます。このうち60歳以上のひとり暮らしの入居者は1,316世帯、生活保護受給者は427世帯でございます。
43 【10番(新井美咲子議員)】 60歳以上ではありますが、入居世帯の3割がひとり暮らし高齢者です。生活保護受給世帯も1割を占めています。平成30年度ひとり暮らし高齢者基礎調査で70歳以上、9,284世帯とふえ、親族間の関係も希薄化していると考えます。このため、みずからの最期に備えながら、いざというときに周囲に意思が伝わらないことが懸念されます。孤独死は近年ふえ続け、過去に市営住宅で公費を使って火葬、埋葬、遺品整理の措置もされてきております。今後このような事例はひとり暮らしの高齢者が増加する中、大きな課題であります。高齢者の終活の一つとして、財産整理や葬儀等の生前契約など、自治体による終活支援の必要性が問われていますが、当局の現状と今後の考え方について福祉部長に伺います。
44 【福祉部長(松井英治)】 高齢化が急速に進展する中で、身寄りのない高齢者も増加してくるものと思われ、いわゆる終活につきましての重要性は増すものと考えております。現状では、相談件数については市へはわずかでございますけれども、相談があった場合につきましては、生前整理を初め、葬儀、墓地、遺品整理を行っている民間事業者もございますので、それらの情報提供を行っております。全国的には自治体による独自の取り組みを始めているところもございますが、自治体により、その内容もさまざまな状況でございます。今後は実施自治体の取り組みにつきまして情報収集を行いまして、高齢者以外の対象も想定して研究してまいりたいと考えております。
45 【10番(新井美咲子議員)】 多くの自治体でも引き取り手のない遺骨の保管や供養が課題とされ、横須賀市では支援しています。終活については、重要性が増すものとご答弁をいただきました。行政が支援すべき部分もあると考えますので、各所管と連携していただき、前向きにご検討くださいますようお願いいたします。
次に、広瀬団地について伺います。広瀬団地の中で、一丁目にあります広瀬第3、第6、第7、第20団地の建てかえ計画が現在どのようになっているのか伺います。
46 【都市計画部長(井上敬二)】 広瀬団地の建てかえ計画につきましては、前橋市公営住宅等長寿命化計画に基づきまして、民間活力導入の可能性などを含め、事業手法の検討をするとともに、入居者の意向把握をしているところでございます。
47 【10番(新井美咲子議員)】 この建てかえ計画には、ぜひ福祉的要素を入れて、低所得者にとって安心して暮らせる市営住宅であることを要望いたします。
次に、承継の見直しについて伺います。8050問題と言われ、ひきこもりが問題視されています。全国で約26万人と推計され、現在国では実態調査をする動きがあります。市営住宅入居世帯でひきこもりの方がいるご家庭もあります。名義人の親がなくなったひきこもりの子は、
連帯保証人を見つけることが非常に困難であります。そこで、ひきこもりの子でも親の入居資格を継承することができるように規定を見直すべきと考えますが、ご見解を伺います。
48 【都市計画部長(井上敬二)】 承継の見直しについてでございますが、本市では一般の単身世帯入居を認めていないことから、親から子への承継につきましては対象としていない状況でございます。しかしながら、ひきこもりなどさまざまな事情による承継につきましては、個別的な事情に配慮しながら、公平性の観点も踏まえまして、他市の事例なども参考にしながら運用について検討してまいりたいと思います。
49 【10番(新井美咲子議員)】 防災、減災について伺います。
自然災害が日本各地で発災しております。群馬に住む私たちも、日本にいる限り何らかの災害に遭うとの意識で準備や学ぶことが重要です。時の報道によれば、防災、減災の効力を発揮するかしないかは、自助である住民の避難への意識を変えてもらう必要があると言われておりました。災害などの非常事態を過小評価する正常性バイアスと呼ばれる心理や避難情報の意味を十分に理解していないことです。総合防災マップが改定され、マップが全世帯に配布されましたが、市民一人一人がご自分の生活する場所のリスクを把握していない状況にあると考えます。また、行政が避難勧告等を出しても、受け取る側の市民がその内容や状況を学習していなければ、なかなか必要な行動につながらないと思われます。そこで、市民に自分ごととして受けとめていただけるように、どのような対応をお考えなのか伺います。
50 【総務部長(関谷仁)】 防災における自助の啓発についてでございます。市民に災害を自分ごととして考えていただくための啓発といたしましては、災害に関する話が身近な話題につながるよう、地域単位、まち単位まで具体的にした周知啓発を行っていく必要があると考えております。このような取り組みとしては、これまでも土砂災害警戒区域付近にお住まいの方に対して、毎年度の出水期前に地区別で作成した土砂災害の警戒に関するチラシを戸別配布し、注意喚起を行ってまいりました。これと同様に、今回見直しとなった浸水区域に関しましても、特に注意を必要とする家屋倒壊地域にお住まいの方などを対象としまして、個別具体的な注意喚起を工夫を持って行うなど、わかりやすさに配慮した防災啓発を繰り返し実施してまいりたいと考えております。
51 【10番(新井美咲子議員)】 地域に応じて個別に防災啓発をされていくことはわかりました。
次に、マイタイムラインについて伺います。行政やニュースなどからのたくさんの災害情報がある中で、地域や家族構成などそれぞれ異なる中で、どのような情報で、どのような行動をとり、どこの時点で避難行動をとるか、自分の命は自分で守るという意識から、マイタイムラインと呼ばれています。いざというときに後悔しない行動がとれると考えますが、事前防災行動計画、マイタイムラインの取り組みについてご見解を伺います。
52 【総務部長(関谷仁)】 マイタイムラインのように、市民一人一人の主体的な防災行動を促す取り組みは大変重要であると考えております。今後実施する地域単位での注意喚起の中では、各家庭において避難先や避難行動の開始時期を家族間で共有するような案内も含めて、避難行動の実践につながる防災啓発に努めてまいります。
また、避難勧告等発令時に確実に避難するには、地域における声がけなど共助の視点も大変重要であると言われております。自主防災組織を中心にした地域の防災活動の支援におきましても避難所参集訓練など、地域でまとまって避難行動をとることにつながる取り組みを促してまいりたいと考えております。
53 【10番(新井美咲子議員)】 先日、県公社総合ビルで開かれた防災、減災シンポジウムに参加させていただきました。改めて群馬に住む私たちも、日本にいる限り何らかの災害に遭うとの意識で準備や学ぶことが大事であると感じてまいりました。マイタイムラインは、家族の被害を最小限にするための家族の生き残り計画です。ハザードマップを学習して避難するタイミング、誰と何をするか、災害によっては避難する場所が違う場合もあります。家族で話し合うことが大事ですので、周知、啓発をお願いして、全ての質問を終わりにいたします。
(23番 長谷川薫議員 登壇)
54 【23番(長谷川薫議員)】 私は、市民課窓口の12月からの民間委託の中止を求めて質問いたします。
証明書交付窓口の業務は、戸籍謄本や住民票、印鑑証明など全て個人情報を扱う業務です。公務員には守秘義務が課され、違反した場合には刑罰も科され、情報漏えいを厳しく抑制しております。ところが、委託先の富士ゼロックスシステムサービスに雇用される従業員にはこのような法的な守秘義務はありません。今マイナンバーカードで全国的に多くの個人情報が集約されようとしているとき、個人情報を中心に扱う業務を安易に民間事業者に委ねることは情報漏えいのおそれがますます強まってくると思います。大変問題だと思いますが、答弁を求めます。
55 【市民部長(町田俊明)】 本市が委託先として選定した事業者は、個人情報保護に関する民間企業の指標となるプライバシーマークを取得しており、従事者に対してもマイナンバーを初めとした個人情報保護を徹底する教育研修体制を整えております。マイナンバー記載の書類の取り扱いについては、特に慎重な取り扱いとし、市職員と同等のセキュリティー対策を講ずるとともに、扱う個人情報の範囲を限定して、違反した場合の契約解除に関する条項を盛り込むなど、個人情報の漏えいに対しては万全な対策を行う考えでございます。
56 【23番(長谷川薫議員)】 委託業者への研修、それから契約による守秘義務の履行を求めても、人為的な情報漏えいを防止することは困難だと思います。リスクは今より確実に高まると思います。
次に、民間企業は人件費コストを抑えれば利潤をふやせる上に、ほとんど初期投資が要らないことから、公的分野への参入を絶好のビジネスチャンスと捉えております。行政の窓口を担う事業を広げている国内の各企業は、全国的に激しい参入競争を展開しております。受託事業者は、プロポーザル方式など自治体の裁量によって選択されます。選定基準や配点などの行政情報を事前につかめば、それに合わせた提案書も整えることができます。数年ごとに契約が繰り返されるだけに、受託をめぐって特定企業との癒着が心配されます。防止策についてどのようにお考えか、答弁を求めます。
57 【市民部長(町田俊明)】 事業者の選定に当たりましては、職員以外の外部委員も入れた選定委員会を設置いたしまして、公平、公正に審査をいたしました。次回の事業者選定については、選定方法なども含め、現時点ではまだ具体的には決めておりませんけれども、ご指摘のあったような懸念を抱かれることのないよう、十分留意していきたいというふうに考えております。
58 【23番(長谷川薫議員)】 特定事業者への長期間の委託が今後続いていけば、新たな公募のときに公正、公平な選考がますます難しくなるというふうに思います。
次に、偽装請負の問題です。委託先である富士ゼロックスに雇用された労働者に市民課の正規職員が直接指揮命令をしますと、委託契約は請負になっていても、実際には労働者派遣となり、偽装請負となります。前橋市が労働者派遣法違反に問われ、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金が科せられます。他の自治体の委託現場で偽装請負に当たるという労働局の厳格な処分が行われて、委託業務を直営に戻すところも起きております。偽装請負を避けるためには、公務と委託業務の切り分けをどのようにするのでしょうか。現在のように受け付け事務と交付が一体的に行われないために、証明書交付窓口で市民とのトラブルが発生し、委託業者だけでは対応できない場合などはどのように対応するのでしょうか。正規職員がかかわれば偽装請負が発生するのではないでしょうか、答弁を求めます。
59 【市民部長(町田俊明)】 偽装請負についてでございますけれども、偽装請負は発注者側の市と受注者側の業者との間での認識誤りが発生することが主な原因と考えております。偽装請負と指摘を受けることのないように、指示、命令系統を独立させるとともに、お互いの認識を共有させることが必要ですので、委託開始までの間に市と事業者とで協議を重ねるなど、事業者が独立して業務を遂行できるよう、しっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。
60 【23番(長谷川薫議員)】 委託業者の業務範囲内で完結すればいいのですけれども、何が発生するかわかりません。そうしたときに、結果として市民は偽装請負にならないように、市の正規職員にいろいろ問い合わせができないわけですから、結局再度交付申請をやり直すというような形になることが起きて、市民に負担をかけるのではないかというふうに懸念いたします。
次に入ります。受託企業は、前橋市の行政の効率化とコスト削減に貢献しようというような純粋な思いだけで参入するのではありません。当然ビジネスチャンスという動機が参入の最大の動機です。そして、窓口業務などで利益を生み出すためには、結果として人件費の削減を中心とせざるを得ません。今回の富士ゼロックスとの契約期間は3年です。次の選定機会に漏れることも想定し、最初からパート、契約社員など有期雇用契約を従業員と締結し、低賃金の不安定雇用労働者が業務の中心的担い手になるのではないでしょうか。広がる格差社会を是正し、安定した労働者の雇用環境の実現を目指す市行政が、みずからの職場で働く貧困層、官製ワーキングプアをつくり出すことになります。公務が安上がりな労働者によって担われれば、これまで蓄積されてきた公務の専門性を発揮された質の高い市民サービスを維持することもできなくなるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
61 【市民部長(町田俊明)】 ワーキングプアということでございますけれども、本市が選定した事業者は安定した雇用を実現するため、雇用期間や雇用条件などに配慮した取り組みを実施しております。本市といたしましても事業者が適正な雇用を実施しているか、定期的に調査を実施するなど、前橋市公契約基本条例を遵守してもらうよう、努めてまいりたいと考えております。
62 【23番(長谷川薫議員)】 今公契約基本条例の話がありました。本市の公契約基本条例は、指定管理者も窓口の委託もそうですけれども、委託事業者が雇用する労働者のこれまで時給幾ら払わなくてはならないという下限報酬の規定はありません。一般的に労働基準法の法令を遵守する、そういうような一般理念的な条例になっております。ですから、今答弁で言われた公契約基本条例での担保は非常に難しいというふうに思います。
そこで、私ぜひ申し上げたいのですけれども、市民課の窓口は市民が最も足を運ぶ窓口で、市政の総合的な相談窓口にもなります。そして、今回民間業者に委託しようとしているフロアマネジャーも行政に精通した正規職員が担うべき分野だと思います。これは問題だと思います。申請窓口から交付事務まで正規職員が一貫して担うべき部署が市民課の証明書交付窓口だというふうに思います。現在委託しようとしている窓口業務は正規職員5人、嘱託職員6人の11人で今担当しているわけですけれども、今度3年間で最大約2億2,500万円という委託費で富士ゼロックスに委託したとしても、人件費の削減効果はわずか年間200万円というふうにお聞きしております。情報漏えいや偽装請負、こういう大変心配されるリスクを考えると、効率化にもコスト削減にも市民サービスの向上にもつながらないというふうに思いますので、今からでも市民課窓口の業務委託は撤回するように強く求めておきたいと思います。
次に、行政の民間化拡大方針の見直しについてお伺いいたします。公共サービスは、本来自治体として財政措置をして正規職員を雇用し、不測の事態や事故があったときの責任も負担しながら、安定的に確実に提供すべきです。利潤を追求し、雇用責任も明確でない営利企業に安易に委託してよいのかどうかという問題が今問われていると思います。本市は、国の行革方針に追随して、公務の市場化をあらゆる分野でやれるところは何でもやるというような姿勢で進めておりますけれども、今例えば指定管理者制度のもとで市として独自の安全管理や安全チェックが弱まって、富士見温泉見晴らしの湯で人身事故が起きましたし、あいのやまの湯でもレジオネラ菌問題で今施設が長期休業に追い込まれました。民間活力の導入では必ずしも市民サービスの質の向上にもならない、経費削減にも場合によってはならないことが証明された事故だというふうに思います。また、今後どんどん採用していくと言っておられるPFI手法、これで進めている新道の駅の整備事業も、それから日赤跡地の前橋版CCRC構想も事実上、市民参加、市民要望を十分取り入れた進捗、取り組みになっておりません。事業計画を民間事業者に事実上、丸投げしているために、計画どおりのテンポで進んでいないのではないでしょうか。このような大きな財政投入を余儀なくされる大型公共事業は、当局の期待どおり順調に成功するかどうかもわかりません。このように既に顕在化している公務の市場化がもたらすさまざまな問題やデメリットをどのように考えているのか答弁求めます。
63 【総務部長(関谷仁)】 本市が定めております前橋市民間委託等の推進に係るガイドラインでは、民間委託等の推進に向けてはさまざまな手法を視野に入れて検討することを基本的な考え方の一つとしております。ガイドラインでは、経費節減や市民サービスの向上の観点から民間委託等を実施した場合のメリットやデメリットを整理した上で実施の可否を検討することを定めております。現行財政改革推進計画上の取り組みにおいても市民課の証明交付窓口のように委託化実施を決定したものと、税証明窓口のように委託化を見送り、継続検討としたものもございます。
PFI等のPPP手法については、本市財政状況は今後も厳しく、公共施設整備における財政負担を軽減するためには、官民が連携した事業実施の重要性はますます高まってくるものと考えております。安定した施設運営のためには、民間との対話を重視し、官も負担できないリスクがないか等、官民で適切にリスク分担していくことが肝要であると、このように考えております。
64 【23番(長谷川薫議員)】 人件費の削減を目指した市場化というのは、行政にとっても公共サービス提供の現場がつかめなくなる、これは温泉などだけではなくて福祉の現場もそうですけれども、そういうことは避けられません。既にそうした中でいろんな問題が発生していると思います。
次に、行財政改革のあり方について質問いたします。国は平成28年度から民間委託や指定管理者制度などのアウトソーシングを先進的に進めて、職員削減など行革努力を進めた自治体に対して地方交付税の基準財政需要額算定に反映するトップランナー方式を導入しております。公務、公共サービスを営利企業のもうけの場に誘導するために、地方交付税に差をつけてアウトソーシングに取り組む自治体をふやそうとすることは、地方自治に対する介入です。民間企業への委託等の拡大は、公務労働を通じて公務員の最大の仕事である人権保障の業務に関する機能を縮小させることになります。行財政改革を推進するなら効率化と人件費削減優先ではなく、住民福祉を増進し、住民サービスを向上する自治体本来の責務を果たすという観点を貫いて、行政チェックを行うベきです。当然住民の声、現場の声をよく聞いて行政に反映すべきです。公共性を弱め、官製ワーキングプアの増大に確実につながるアウトソーシングの推進ではなく、行政の無駄遣いをチェックすることに重点を置くべきだと考えますが、いかがでしょうか。
65 【総務部長(関谷仁)】 行革のあり方についてでございますが、限られた人員や財源のもとで、本市を取り巻く課題に的確に対応し、自立性の高い持続可能な行財政運営を行うためには、一層の経費節減と自主財源確保を行いながら、効果的な業務遂行に取り組むことが求められていると考えております。現行革計画のもとでは、民間委託等により捻出された人的資源を職員みずからが対応すべき政策分野に集中させることや、正規職員及び非正規職員のトータルでの人件費の増加を抑え、これまで以上に行政サービスに要する人件費を最適化することに取り組んでいるところでございます。
ご指摘の大規模な公共施設整備等の公共事業につきましても新規事業のうち、一定規模以上となるものにつきましては、企画計画段階から事業の必要性、事業の効果、イニシャルコスト、ランニングコスト等について把握、評価することで、事業規模や事業手法の適正化を図っていく取り組みを進めているところでございます。今後も引き続きこれらの取り組みを通じ、市民サービスの向上を図りながら、行政の無駄をなくす行革を進めてまいりたいと考えております。
66 【23番(長谷川薫議員)】 今話がありましたけれども、全く姿勢を変えようとしないのは問題だと思います。本来の行革ではありません。需要予測も十分行わないで、県内最大規模の道の駅を本当に今前橋でこれだけ財政が苦しい中で必要なのか、日赤跡地のCCRC構想が地方創生の目玉事業として国に手を挙げる必要があるのか、中心市街地の再開発を今立ち上げるべきときなのか、市営住宅が2割もあいていると、こういう状態を改善することが必要なのではないか、そういう市民の声をしっかり受けとめて、そこにメスを入れる、チェックをする、これが本当の行財政改革だということを強く指摘して、行財政改革の今の前橋のあり方を抜本的に見直すことを強く求めて私の質問を終わります。
(27番 阿部忠幸議員 登壇)
67 【27番(阿部忠幸議員)】 最初に、開発行為に伴う公園の帰属及び維持管理についてお伺いいたします。
一定の規模以上で宅地分譲など開発行為をする事業者は、都市計画法第29条で道路や公園、排水、給水などの設置に対し、設置基準に適合させ、開発許可を受けなければならないとなっております。昨年度においても建て売り、宅地分譲を目的に行われた開発許可件数は20件のうち公園が実際に設置された件数は3件と伺っております。その中で0.3ヘクタール以上5ヘクタール未満の開発行為による公園の設置要件についてお伺いいたします。
68 【都市計画部長(井上敬二)】 開発行為によりまして公園の設置が必要とされる場合の基準についてでございますが、都市計画法の規定によりまして、環境の保全上、災害の防止等において支障がないような規模及び構造で適当に配置することとしております。そして、同法並びに同法施行令によりまして設置を要する公園の面積や開発区域の面積が0.3ヘクタール以上5ヘクタール未満の開発行為にあっては3%以上、かつ前橋市宅地開発指導要綱の規定によりまして、150平方メートル以上を設けることが基準上、義務づけられております。また、公園の整備に当たりましては、施設の管理者と協議を行った上で計画をしていただき、整備後においては帰属することとしております。
179 【1番(岡正己議員)】 ユニークとは、独特な、特異なという意味であります。通常の使い方ではなくて独特な使い方をする、それこそまさに新しい価値の創造です。あの臨江閣でこんなことが行われたとユニークな視点で活用すればメディアに取り上げられ、前橋と臨江閣のPRがお金をかけずにできるかもしれません。ユニークな取り組みはそれだけで広報になるのです。
先週末、ヤマダグリーンドーム前橋で開催されたアイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージのイベントには1万8,000人の来場があり、前橋市の受け入れの姿勢のよさに感動した参加者が
ふるさと納税もしていただけたということであります。私も一市民として一言お礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
臨江閣についてですが、せっかくの機会なので、ユニークベニューでインターネットの検索で上位に食い込んでくるぐらいの、文字どおり独特で新しい試みを望みます。モデル事業ということなので、チャレンジしてもいいのではないでしょうか。チャレンジしなければ、新しい価値は生まれません。
次に、TONTONのまち前橋についてお伺いします。本市の名物料理創出を目的に、毎年開催されているT─1グランプリも継続して開催することにより認知度が高まってきております。しかし、年々マンネリ化してきており、課題も多いのではないでしょうか。今後T─1グランプリを通じてさらなる観光誘客や豚肉料理のPRはもちろん、食によるまちづくりにつなげるため、どのような展開を考えているかお伺いいたします。
180 【
文化スポーツ観光部長(川端利保)】 T─1グランプリの特色としまして、イベント形式に頼らず、まずは飲食店に足を運んでもらうことで飲食店への経済効果や食によるまちづくりに貢献しているものと考えております。今後は10回目の節目となる今年度の大会を記念大会として盛大に開催するとともに、さらなる観光誘客を図るため、これまでの大会運営で培ってきた飲食店へ足を運んでもらう仕組みを継続しつつ、本市の食によるまちづくりのさらなる活性化を図るため、ようこそまえばしを進める会の構成団体と連携、協力の上、新たなT─1グランプリの運営、それと仕掛けづくりについて検討してまいりたいと考えております。
181 【1番(岡正己議員)】 10年間の功績はあると思います。これからのT─1グランプリによって、誰が、何が芽吹くのか、10年を節目に、今までと違う組織で検討してみてもいいかもしれません。今私たちが価値と認識していないものに目を向ける、弱みが強みになることもあります。日々の小さな部分にも前橋の新しい価値を創造し、市民一丸となって芽吹いていきましょう。
次に、前橋工科大学の中期目標の策定についてお伺いします。前橋工科大学は、前橋市に設置されている公立大学として、前橋の特性を生かした取り組みを推進していくべきであると考えておりますが、平成31年度から開始される第2期の中期目標期間の中で、産学官連携についてどのように推進していく予定かお伺いいたします。
182 【総務部長(関谷仁)】 新しい中期目標では、研究に関する目標及び地域貢献に関する目標において産学官連携に関する目標を設定し、大学に対して積極的に産学官連携を推進するように求めていきます。また、前橋市に設置されている公立大学であることを生かせるように、地域貢献に関する目標の中では市内産業等の喫緊のニーズを把握した上で地域社会への貢献を果たし、地域の活性化を図ることを求めていきます。詳細な取り組みについては、中期目標が議決になった後に、市から大学に対し、中期目標の指示を行い、大学が中期目標に基づき、中期計画を策定する中で位置づけていくことになります。中期計画は、年度内に市長が認可することになっているため、目標達成のための具体的な方策等が位置づけられているか、外部の附属機関である評価委員会の意見も踏まえながら、確認してまいりたいと考えております。
(25番 中島資浩議員 登壇)
183 【25番(中島資浩議員)】 まず初めに、歴史の継承についてお尋ねいたします。
この夏、戦後73年を迎えました。戦争を知る世代も年々少なくなり、戦争の悲惨さや平和のとうとさをしっかりと後世に伝えることの重要性、必要性を今改めて強く感じております。8月16日付の上毛新聞によりますと、防空頭巾や飯ごうなど、戦時中の生活用品を展示する住吉町のあたご歴史資料館で戦争の語り部の一人としてボランティアで活動する原田恒弘さんは、高齢化に加え、維持管理費等の確保の難しさから、施設を継続することへの不安を抱いております。また、本市は平成25年度、26年度の2年間、平和関連施設資料台帳作成事業補助金を交付し、市内にある民間施設、まえばしマチダ平和資料館でありますが、これの収蔵物を把握、確認する一方、これを平和都市宣言をしている本市の平和行政の象徴的施設と位置づけ、平和に対する市民啓発はもとより、平和教育の活用を図ることを目的に、資料台帳を作成しております。
なお、まえばしマチダ平和資料館には、明治、大正、昭和、激動の国民生活を今に伝える数々の展示品がある一方、日本でここにしか飾っていない1、日本と戦った相手国の資料、2、アメリカという国を理解するための資料、3、従軍看護婦の資料の3つの貴重な資料があるのが大きな特徴です。そこで、今後これら平和関連施設と連携し、貴重な戦時中の資料や遺品、さらには数々の収蔵物を平和に対する市民啓発や平和教育に積極的に生かしていくべきと考えておりますが、ご所見をお伺いいたします。
184 【政策部長(稲田貴宣)】 平和関連資料についてでございますが、戦争や平和に関連する戦時中の資料を平和啓発事業あるいは平和教育に活用することは多くの市民の皆さんに平和のとうとさを再認識していただくきっかけづくりとして大変効果的であると考えております。したがいまして、そうした資料の活用方策に対する所有者の意向も伺った上で、平和関連事業を所管する市民部あるいは教育委員会など関係する部署とともに研究してまいりたいと考えております。
185 【25番(中島資浩議員)】 あたご歴史資料館は、2012年に開館いたしまして、住吉町二丁目自治会が運営を担い、当初は原田さんを含め、前橋空襲の体験者など7人の語り部がいたということでありますが、その後亡くなられたり、あるいは高齢者施設に入所され、現在は3人にまで減少しているということであります。
一方、まえばしマチダ平和資料館は一般公開はしていないものの、その評判が口コミで広がり、福田康夫元総理やスズキ株式会社の鈴木修会長、ルース元駐日大使、さらには日本赤十字社、近衞忠てる社長を初め、訪れた多くの皆様より大変高い評価を受けておりまして、市民啓発、平和教育はもとより、本市の貴重な観光資源としても十分生かせるものと確信いたしております。ぜひ今後これら平和関連施設とさらなる連携を図るとともに、平和都市宣言しております本市の平和行政の象徴的施設と位置づけ、身近な市民啓発や児童生徒への平和教育はもとより、他に類例を見ない貴重な平和資料の存在を広く全国に発信し、改めて平和のとうとさを訴え、ひいては本市の観光資源としても生かしていただきますよう切に要望いたします。
次に、旧中央小の活用についてお尋ねします。新桃井小校舎が完成し、この間、旧中央小に通っていた児童が4月より新校舎に移転いたしました。旧中央小は前橋駅の至近にありまして、官民問わず、大変可能性に満ちた場所であり、地元中央、桃井地区では、その有効活用に大きな期待を寄せております。しかし、以前国が地方創生の一環として進めていた政府関係機関の地方移転について、突如国土交通大学校の誘致先として中央小跡地が候補地となったという報道があり、地元関係者には大変な動揺と混乱が広がった経緯があります。そこで、旧中央小の跡地活用に当たっては、地元中央、桃井地区の皆さんとの十分な連携により、意思疎通を図っていただきたいと考えておりますが、ご所見をお伺いいたします。
186 【政策部長(稲田貴宣)】 旧中央小学校跡地の活用に関する考え方でございます。旧中央小学校は、昭和32年の開校から平成28年4月の桃井小学校との統合を経て学校としての使用を終了したことし3月まで、常に地域に根差し、地域に見守られて歩んでまいりました。また、中央小開校以前は第一中学校が所在していたということからも、地域の皆様の跡地活用に対する関心は非常に大きなものがあると思っております。
いずれにいたしましても、中央小跡地はJR前橋駅から至近のまとまった土地でありまして、本市における将来のまちづくりに大きな役割を担う資産でありますので、まずは市有資産としての効果的な利活用策を検討する必要があると考えております。その上で、地域のご意見やご要望もお聞きし、地域にも根差すような跡地開発を図ってまいりたいと考えております。
187 【25番(中島資浩議員)】 地元との密な連携をよろしくお願いいたします。
次に、市街地整備についてお尋ねいたします。現在市街地総合再生計画に基づき、30年来の懸案事項である千代田町二丁目8番街区の周辺整備に向け、地権者との勉強会や検討会が開催され、再開発事業の検討が行われていると承知しております。この8番街再開発事業は、当然中心市街地のにぎわい創出につなげることも目的としているわけでありますが、地元自治会長や中央通り、銀座通り、立川町通り、竪町通りの各代表者の立場はあくまでオブザーバーということであります。今回の8番街区周辺整備を起爆剤に、着実に中心市街地のにぎわい創出に相乗効果を期する上にも、現在の勉強会、検討会を進める一方で、同時並行的に中心市街地のグランドデザインについて検討する場も設けるべきと考えておりますが、ご所見をお伺いいたします。
188 【都市計画部長(井上敬二)】 市街地全体の整備方針を検討する場についてでございますが、本市では中心市街地における再開発事業を実施する際の整備方針として、平成27年度に市街地総合再生計画を策定し、8番街区周辺につきましても重要な拠点として位置づけております。市街地総合再生計画は、計画策定から3年が経過することで、今後計画の実施評価や事業内容の見直しを予定しており、ここがご質問のありました市街地全体の整備方針を検討する場になると考えております。8番街区周辺の整備につきましては、現在地へ関係者でつくる検討会でさまざまな協議をしているところであり、市街地総合再生計画の見直しに当たっては、この検討結果を反映してまいりたいと考えております。
なお、計画の見直しに当たりましては、有識者や民間の方々で構成する外部協議会を組織することを検討しております。
189 【25番(中島資浩議員)】 ぜひ地権者とともに中心市街地関係者の意向も反映できるようによろしくお願いしたいと思います。
続きまして、窓口業務の民間委託についてお尋ねいたします。行政の効率化とコスト削減、さらには窓口業務のサービス向上を目的に、12月から証明書交付の窓口業務を県内では初めて民間委託することとなったということであります。これに関連する委託先の選考についてでありますが、公募型プロポーザルによりまして、委託先を東京の富士ゼロックスシステムサービスに決め、契約は3年間で、委託額は最大約2億2,500万円ということであります。大変大きな委託額であります。地元業者に極力ビジネスチャンスをと考えておりますが、今回県外業者に委託することとした理由についてご所見をお伺いいたします。
190 【市民部長(町田俊明)】 市民課証明交付窓口業務委託に係る公募型プロポーザル実施の際には、地元企業を含め、多数の事業者が応募できるように資格要件を広げましたが、多くのノウハウが必要なこともあり、結果的には市内業者からの応募はなく、他の自治体で実績がある市外業者2者の応募となったものでございます。
なお、受託業者に対しては、従事者を雇用する際には本市在住者を優先して採用するよう要望しておりまして、市外業者であっても市内の雇用が生まれることを期待しているところでございます。
191 【25番(中島資浩議員)】 以前地元景気対策の観点から、地元業者発注の徹底をお願いした経緯があります。このことに限らず、今後市政全般におきまして、改めて地元業者発注の徹底を要望いたします。
次に、東保育所についてお尋ねいたします。東保育所では、来年度より3歳未満児保育を実施することとなっております。9月1日より既に募集が開始されていると思いますが、実施に向けた考え方についてお伺いいたします。
192 【福祉部長(松井英治)】 東保育所の3歳未満児の受け入れに向けた
取り組み状況についてでございます。今年度の進捗状況といたしましては、1階児童玄関のフラット化、また調理室の拡張工事を実施しておりまして、今後現在年少児、3歳児が使用しております1部屋を3歳未満児が使用できるように床材の張りかえや水道、トイレ、ベランダなどの改修工事を予定しております。
なお、今年度改修する保育室につきましては、満2歳児が入れるよう行う予定となっております。今後も満1歳児の受け入れができるように進めていきたいと考えております。
193 【25番(中島資浩議員)】 ご答弁によりますと、来年度はまず満2歳児から受け入れる予定ということでありますけれども、平成32年度には確実に満1歳児から受け入れられるよう、ぜひお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、各グラウンドについてお尋ねいたします。本市では、現在前橋総合運動公園の拡張に取り組んでおります。一方、現在ある桃ノ木川グランドや北部グラウンドでは、外野部分の凹凸や内野部分の土不足、さらには桃ノ木川グランドの電光掲示板が故障のためか使えないなどの声が寄せられておりまして、現在ある各グラウンドの維持管理の徹底もお願いしたいと考えておりますが、ご所見をお伺いいたします。
194 【
文化スポーツ観光部長(川端利保)】 グラウンドの維持管理についてご指摘の内野部分の不陸や内外野の間の段差などの原因としましては、強風により内野部分の土が飛散してしまうこと、また桃ノ木川グランドではモグラの被害が多いことなどが考えられ、苦慮している状況でございます。
また、桃ノ木川グランドの電光掲示板につきましては、現在のところ修理を終えて利用可能な状態ですが、電光掲示板の利用者が極端に少ないことからも、バッテリー等の劣化が激しいなど課題を抱えております。いずれにしましても、既存の施設の維持管理は重要なものであると認識しておりますので、まずは利用者の安全対策を最優先させていただきながら、利便性向上のために計画的に整備してまいりたいと考えております。
195 【25番(中島資浩議員)】 ぜひ既存のスポーツ施設の維持管理にも意を用いていただきますよう要望いたします。
次に、特別教室へのクーラーの設置についてお尋ねいたします。この夏の猛暑、酷暑の実態から、小中学校における特別教室へのクーラーの設置を求める声が多く寄せられております。さきのご答弁によりますと、新規増設となると、受変電設備の改修等も必要となり、財政負担も大きくなるということでありました。そこで、財政的負担軽減の観点から、校舎の新築あるいは長期にわたる大規模改修工事の際、できるところからでも順次設置すべきと考えておりますが、ご所見をお伺いいたします。
196 【教育次長(根岸隆夫)】 小中学校の空調設備につきましては、順次設置を進めてきたところでございますが、特別教室につきましては未設置の教室も残っているのが現状でございます。ご指摘の整備手法につきましては、費用面では効率的に整備ができるものと考えておりますが、一度に手がけられる件数がかなり限られてしまうということになりまして、設置期間を相当要するということになりますので、設置してある学校、設置していない学校の学校間の格差が生じるおそれもございます。まずはどの特別教室にどこまで設置するか、整備期間をどうするか等、総合的に判断した上で、ご指摘もいただきました効率性というところにも十分に配慮しながら、学校間の公平を図りつつ、整備手法についても検討してまいりたいと考えております。
197 【25番(中島資浩議員)】 学校間の格差が生じるということでありましたけれども、熱中症の問題の重要性に鑑みまして、費用面から設置が難しいということであれば、次善の策として講じていただくように要望いたします。ぜひ前向きなご検討をお願いいたします。
最後に、GAP認証についてお尋ねいたします。東京オリンピック・パラリンピックの開催まで2年を切りました。本市でもそのキャンプ地として誘致を進めているところでありますが、東京オリンピック・パラリンピックへの食材提供基準として、GAP認証品目が指定されております。全国の市町村で13番目の農業産出額を誇る農業都市前橋として、安全、安心でおいしい前橋産農畜産物で選手団をもてなすためにも、本市農畜産物のGAP認証を積極的に推進すべきと考えております。本市では、今年度よりGAP取得推進事業補助金を設け、GAP認証取得を推進しておりますが、現在の
取り組み状況についてお伺いいたします。
198 【農政部長(西澤秀明)】 最初に、市内におけるGAP取得の状況についてでございますが、ことし5月に勢多農林高校がキュウリとトマトの2品目につきましてアジアGAPを取得し、ほかにも2つの農業生産法人がグローバルGAPを取得しております。
次に、本市の
取り組み状況についてでございますが、GAPについてホームページや農業者の集まる機会を通して周知を図るとともに、2名の職員がJGAPの指導員資格を取得しておりますので、GAP認証を希望する生産者に対して指導を行うほか、認証取得費用に対する支援を行っております。しかしながら、GAP認証取得や更新においては、生産者に対して時間、労力、金銭等の負担がかかることや、即時に所得の向上につながらない等の課題があるため、認証取得者の増加にはつながっていない状況でございます。東京オリンピック・パラリンピックにおいて、前橋産農畜産物を提供することができれば、本市産農畜産物の認知度向上につながりますので、引き続きGAP認証の推進を図っていくとともに、取得についての支援を行ってまいりたいと考えております。
199 【25番(中島資浩議員)】 ぜひスポーツ課とも連携していただきますように要望いたしまして、全ての質問を終わります。ありがとうございました。
200 ◎ 休 憩
【副議長(浅井雅彦議員)】 この際、暫時休憩いたします。
(午後2時51分)
201 ◎ 再 開
(午後3時17分)
【議長(
三森和也議員)】 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続けます。
(35番 横山勝彦議員 登壇)
202 【35番(横山勝彦議員)】 順次質問いたします。
ヤマダグリーンドーム前橋のあり方と競輪事業について伺います。まず、運営検討についてですが、私は6月議会におきまして、質問、要望を含め、やりとりを行いました。その要旨は、時の流れは早く、そこに速やかに反応することが大切である。民営化、事務委託については、10年前に前橋市も検討されたと記憶しております。そして、現在の全国の状況は、全国で43の競輪場がある中で19場が包括事務委託を実施、24場が未実施であり、委託の割合は40%となっております。委託を実施するには、2年から3年の準備期間が必要であります。今後も競輪事業が将来にわたり本市財政に寄与するためには、民間活力の導入は不可欠であります。公平、公正の確保の視点から、外部の経営分野の専門家などを加えて検討することを要望いたします。そして、高崎市に対し、イベント開催にもおくれをとっております。せっかくのヤマダグリーンドーム前橋をもう少し有効に使わなければいけないでしょう。前橋競輪とイベントのあり方に前向きに取り組んでいただきたい。これに対して当局は、現在の直営方式とともに、包括事務委託を含め、検討してまいりたいとの答弁でございました。そして、8月の市民経済常任委員会を経て、9月から検討委員会が協議を開始したようであります。そこで、検討のあり方に関する基本的な考えをお伺いいたします。
以下は質問席で行います。
203 【産業経済部長(櫻井正明)】 ヤマダグリーンドーム前橋等の運営検討のあり方でございますが、前回の議員さんのご意見も踏まえまして、前橋競輪事業が存続し、本市財政に貢献可能な収益事業であり続けられるよう、多岐にわたる外部委員さんにご協力いただき、さまざまなご意見を拝聴する機会であると認識しております。検討委員会におきましては、競輪事業の事業継続及び収益向上だけではなく、有効なイベント開催のあり方まで含めて、その基本的な方針として直営堅持、または民間活力導入などあらゆる手法に関してご意見、ご提案をいただき、競輪主催施行者、施設管理者として選択肢を広げたいと考えているところでございます。
204 【35番(横山勝彦議員)】 これからの競輪事業運営についての明確な方向性を速やかに決めるべきだと私は思います。
8月の市民経済常任委員会で、ヤマダグリーンドーム前橋等運営検討委員会のスケジュールが報告されました。示されたスケジュールで本当によろしいものなのか、検討委員会の委員長であります倉嶋副市長にお伺いいたします。
205 【副市長(倉嶋敬明)】 まずは、ヤマダグリーンドーム前橋の立ち位置にあるのですけれども、本来ヤマダグリーンドーム前橋は競輪場としてスタートはしておりますけれども、今では成人式でありますとか、昨年であれば商工会議所の全国大会でありますとか非常に大きな催し物というより、祭事を行っております。そういった意味で、今のヤマダグリーンドーム前橋は競輪場だけでなく、前橋市民にとっても重要な、大切な資産であるというふうに考えております。その資産をまずは今黒字だからいい、どうこうという話ではなくて、次世代に健全な形でしっかりと引き継いでいくことが前橋市の今の市の重要な責務であるというところから今スタートしております。その上で競輪事業を見ますと、今の競輪事業の収益でこのヤマダグリーンドーム前橋は建設から運営、維持管理までしているわけでございますから、その収益の黒字幅が年々縮小してきているということも現実であります。そんな中で、議員がおっしゃられますように、運営に関する検討というものは直営、民営化等々、どちらでどうこうという話ではなくて、まずこの時点でしっかりと検討すべきことが喫緊の緊急の課題であるということはおっしゃるとおりであろうと思っております。
そんな中で、スケジュールについてのご質問でありますけれども、長いからいい、短いから悪いという話ではなくて、必要な検討をしっかりとする、必要な議論もしっかりと行うべきだと思います。ただ、ご説明させていただきましたとおり、時間がそんなに長く十分にあるものとも考えてはおりません。やっぱり忙しい喫緊の課題であります。そんな中で、必要な議論はしっかりと行います。また、議会にも必要なご説明はしっかりとしていく中で、必要な手続をかけつつも、迅速に進めるべきだというふうに考えております。
206 【35番(横山勝彦議員)】 弾力的にスピーディーな委員会運営をお願いしておきたいと思います。
ヤマダグリーンドーム前橋がある限り、私は競輪事業からの撤退は考えられないと思います。検討委員会では入念な協議をお願いしたいと思っております。前にもお話し申し上げたように、全国的な流れ、それがいろいろと包括事務委託を含めた検討、この状況にあります。民間活力の導入という局面も含めて、今大きな流れの中にあるというふうに私は思います。そこで、さらにお伺いしますが、運営検討委員会の協議を経て、包括事務委託を検討すべきという意見が出た際には、前向きに検討すべきと考えますが、一方で委託内容や委託条件などは審査会などを立ち上げて検討すべきであると思います。検討委員会後の対応について、当局の考えがあればお伺いいたします。
207 【産業経済部長(櫻井正明)】 包括事務委託についてでございますが、運営検討委員会につきましては先ほどお答えしたとおり、さまざまなご意見を拝聴する機会であると認識しております。仮に民間活力の導入も必要となった場合には、ご指摘のとおり、どのような運営提案のもと、事業者を選定していくのか、審査会などを立ち上げ、公平、公正に取り組んでいく考えでございます。いずれにいたしましても、運営検討委員会から貴重なご意見がいただけると思いますので、本市といたしましてはそのご意見に沿い、真摯に前向きに取り組む所存でございます。
208 【35番(横山勝彦議員)】 よろしくお願いいたします。県内には桐生ボート、伊勢崎オートなどがいろいろとありますけれども、いずれももう改革を始めておりますので、おくれることのないようにお願いしておきたいと思います。
次に、上武道路、道の駅についてお伺いいたします。上武道路に新設される道の駅につきましては、現在基本計画の策定中ということで伺っておりますけれども、基本計画策定後の今後の取り組み、スケジュールについてどうなっているのかお伺いいたします。
209 【建設部長(高橋智嗣)】 基本計画策定後の今後の取り組みについてでございますが、新設いたします道の駅にかかわる基本計画の策定を行い、庁内及び議会や市民に新設いたします道の駅の整備方針をお示しするとともに、ご理解とご協力をいただき、事業を進めていきたいと考えております。基本計画の策定後、PFI、特定事業契約の仮契約を締結いたしまして、これを12月の議会に提出したい考えでございます。議決をいただきまして本契約となりましたら、道の駅本体の実施設計に入り、あわせて土地収用法事業認定にかかわる申請を行います。平成30年度末から用地交渉、用地確保を進め、埋蔵文化財調査などの必要な手続を踏みまして、早期に施設整備工事に着手し、開業に向けて事務を進めていく考えでございます。
210 【35番(横山勝彦議員)】 今の答弁で施設整備工事に向かってこれまで新しい道の駅で進めてこられたいろんな準備体制が一つ一つ進んでいることは承知いたしました。
また、この件に関しましては、6月の議会で地元の地権者が望んでおられる用地交渉は平成30年度末から平成31年度になる状況になっていることもわかりました。当初予算10億円が出されておりますけれども、これは次年度へ移行するということになるような感じがしております。スピード感を持ってという言葉を実践していただきますよう、担当者の皆さんにはこれからも大変なご努力をお願いしておきたいと思います。
次に、基本計画の報告についてでありますが、これは10月ごろに議会に報告いただけるということを前の議員さんの中で聞きましたので、内容についてはそのときに伺いたいと思います。
次に、上武道路、道の駅についての災害拠点の整備についてでございます。全国各地で大災害が発生して、本市でもその可能性も当然考えられるわけであります。そこで、今後上武道路に新設される道の駅は、防災拠点としての機能を有した施設として整備するというふうに伺っておりますが、予定地の近くを流れる細ケ沢川の大雨時の氾濫の危険性などが大変心配であります。考慮されているのでしょうか。計画地選定の是非、そして盛り土等による対応について、大変気がかりですという地元からのいろいろな声もあります。また、当初の審議会でもそれらの提言があったと認識しておりますけれども、対応についてお伺いいたします。
211 【建設部長(高橋智嗣)】 計画地選定の是非や盛り土等による対応についてでございますが、計画地の選定に当たりましては、有識者によります道の駅設置懇談会の意見を参考にいたしまして、景観や周辺道路状況や必要な面積が確保できるか等を検討し、当該地を選定するに至った経緯がございます。また、災害時の緊急輸送道路であります上武道路に接続し、7ヘクタールの敷地を確保できる予定地は広域防災の拠点としての活用が期待できる適地であると考えております。
細ケ沢川についてでございますが、ハザードマップでは浸水区域に指定されておりませんが、造成、設計の段階で周辺の地形状況等を詳細に調査した上で、安全性が確保された防災拠点となるよう、検討してまいりたいと考えております。
212 【35番(横山勝彦議員)】 今の答弁をお聞きしまして、ちょっと気がかりがあります。それは、これから造成、設計の段階で、周辺の地形、形状を詳細に調査した上でこれからやりますと、私はそれはできていたのかなと思ったのですが、これから検討したいといいますと、例えば盛り土をやる場合には、当然工期と価格と財政の問題と納期が変わります。それでいいのかどうかということが懸念されますので、ぜひ早目に検討していただきたいことを指摘しておきたいと思います。
次に、水道事業についてお伺いいたします。決算と財政計画との比較の中で、財政計画で見込んでいた翌年度の繰越額が約6億円ふえたという決算の実績であったと伺っております。経営状況が計画策定時よりも上回ってきたということは、水道事業が生活に欠かすことのできないライフラインという性質を考えると、よい傾向だというふうに思います。しかし一方で、見込みよりも決算がよかったということを聞けば、平成34年度から予定しております水道料金改定はしなくてもよいのではないかという考え方もあります。そこで、再度改めて平成29年度決算の結果を反映しても、平成34年度からの料金改定は必要と考えているのかどうかお伺いいたします。
213 【水道局長(丸山直人)】 水道料金改定の必要性に変わりはないかとのご質問でございますが、確かに平成29年度決算数値だけを見ますと、財政計画の見込みよりも経営状況は上回っております。しかしながら、決算の具体的な内容を見てますと、水道料金の増加は天候が主な要因で一過性のものと考えられ、大口利用者の水道水から地下水への転換もあり、今後も水道料金は少しずつ減少していくと見込んでおります。また、支出面では、管路や施設の耐震化や老朽化対策、また敷島浄水場の更新など大規模な更新計画もあるため、今後も更新費用は継続して必要であるとも考えております。以上のことを総合的に考えますと、経営状況は非常に厳しいままであると見込んでおります。水道事業というライフラインを守り、市民の皆様に安全、安心な水を届けるためには、安定した経営が何より必要であることからも、引き続き経費節減に努めるといたしましても、やはり平成34年度からの料金改定はお願いしなければいけないと考えております。
214 【35番(横山勝彦議員)】 今の答弁で、現状でもやはり料金改定は必要であるということでありました。前回の料金改定から約19年経過しております前橋市の状況でありますけれども、今後必要な施設更新が続くこと、また水道水は市民生活になくてはならないものということを考えますと、料金改定も仕方がないのではと改めて考えております。
一方で、水道料金の改定は市民や事業者の負担を強いることになることは事実であります。そのため、料金改定の必要性を十分に周知し、理解していただくことが必要であろうかと思います。そこで、これから料金改定の検討状況や料金改定に至るまでの大まかなスケジュールについてお考えがあればお答えいただきたいと思います。
215 【水道局長(丸山直人)】 まず、料金改定の検討状況でございますが、他の中核市や同規模団体の料金体系を調査、分析するとともに、最近料金改定を行った市などを参考に、料金改定に至るまでの経過や改定規模について調査を行っているところでございます。その上で、他市の例をそのまま本市に当てはめるということではなく、本市の口径別の使用量の傾向などを分析し、本市にとってどのような料金体系が適しているのかなど、局内で研究を進めているところでございます。現時点では、その結果をお示しできる段階にはありませんが、市民の皆様にきちんとご説明できるよう、慎重に検討を重ねてまいりたいと考えております。
また、大まかなスケジュールでございますが、平成30年度、31年度の決算結果などを見た上で、平成32年度には料金改定の考え方や料金体系をお示ししたいと考えております。
216 【35番(横山勝彦議員)】 これは質問ではありませんけれども、要望という形になるでしょうか。ここ数カ月、西日本豪雨や台風21号、そして北海道地震と立て続けに大災害が全国各地を襲っております。本市もいつ災害が来てもおかしくないというふうに感じます。そして、またその被災状況を見ましても、その対策も含め、将来を見据え、施設や管路を計画的に更新を進めることが必要であるなというふうに感じております。料金とつながるわけではありませんが、料金改定においては十分な検討を重ねて、市民や事業者の皆さんのご理解を得られますように丁寧に説明していただくとともに、方向性や考え方は早目に周知できるように努めていただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。
次に、地域の防災対策につきましてですが、この質問については、割愛いたします。ただし、一言だけ申し述べたいと思います。平成30年7月に発生した西日本豪雨におきまして、中核市災害相互応援協定及び厚生労働省の要請に基づき、本市から計17名の職員が被災地の現場で避難所運営や健康相談等の災害応援業務に従事したと伺っております。被災地の最前線で被災された方々に接する業務は大変な苦労であったと思います。そして、現地に赴いた職員全員にねぎらいの言葉を送らせていただきたいと思います。
以上、含めまして質問を終わります。
(36番 青木登美夫議員 登壇)
217 【36番(青木登美夫議員)】 通告に従い、順次質問いたします。
初めに、下水道事業についてでありますが、まず下水道管渠の耐震化工事について伺います。本市における第七次前橋市総合計画では、安全、安心なまちを実現することを目標に掲げております。平成29年度の決算大要においても快適で暮らしやすいまちづくりとして、下水道管渠の耐震化工事を計画的に実施しているとのことですが、最近の大阪北部地震や西日本豪雨、北海道胆振東部地震に見られるように、災害は突然起こり得るものであり、早急に耐震化しておく必要があると思われます。そこで、現在の状況と今後の進め方についてお伺いいたします。
218 【水道局長(丸山直人)】 耐震化対策工事の現状についてでございますが、本市では平成25年に策定した下水道総合地震対策計画に基づき、平成26年から第1次緊急輸送路に指定されている国道車道部に埋設された管渠と重要度の高い幹線の耐震化を計画に進めております。平成29年度末では、対象路線約11キロメートルのうち約55%に当たる約5.8キロメートルの下水道管渠の耐震化が完了しており、第七次総合計画での平成32年度末の目標値では約75%に当たる約8キロメートルの耐震化を完了させる計画としております。また、市内には約1,470キロメートルの下水道管渠が埋設されておりますが、耐震基準を満たしていない下水道管渠も多く残存いたしますが、予算的制約と時間的制約を受ける中で、被災時のリスクを考慮し、緊急度、重要度の2つの視点において対象路線を決め、優先的に事業を進めているところでございます。今後につきましても第七次総合計画において掲げた災害に強い下水道システムの構築に向けて推進していきたいと考えております。
219 【36番(青木登美夫議員)】 本市に埋設されている下水道管渠の延長を聞くと、今後の下水道事業に係る費用の増大における運営を危惧するところであります。今後人口減少社会の到来により、地方公共団体の経営環境の悪化等が予想されている今日、平成27年に下水道法の改正が行われ、従来は管渠施設、処理施設、ポンプ場を別々の計画で実施してきた下水道長寿命化支援制度を発展させた下水道ストックマネジメント支援制度が創設されたと承知しています。本市においても昨年度、ストックマネジメント計画の策定に向けた基礎調査を実施しておりますが、その調査内容と計画策定までのスケジュールについて伺います。
220 【水道局長(丸山直人)】 ストックマネジメント計画とは、今後の下水道事業の役割を踏まえ、持続可能な下水道事業の実現を目的に、明確な目標を定め、膨大な施設の状況を客観的に把握、評価し、長期的な施設の状態を予測しながら、下水道施設を計画的かつ効果的に管理するものでございます。このことから、平成29年度につきましては、これまでに実施しきている長寿命化計画、総合地震対策計画、改築更新における構想、維持管理計画などの複数の計画、構想を整理し、現状の分析と課題を整理する基礎調査を実施したところでございます。今年度は基礎調査で抽出されました課題である施設台帳管理システムの構築、導入及び初期データの整備、システム活用検討などを行うこととしております。そして、以上の結果をもとに平成31年度には管路、処理施設、ポンプ場の維持管理、改築を一体的に捉えたストックマネジメント計画を策定し、平成32年度より計画に基づいた事業を進めていく予定としております。
221 【36番(青木登美夫議員)】 それぞれご答弁いただきましたが、下水道事業につきましては、事業着手から約60年が経過しておりますので、施設の老朽化に伴う維持管理とともに、改築、更新の必要性が出てこようと思います。最新の技術や工法等を的確に情報収集し、抜かりなく今後の対応を図られるよう要望いたします。
次に、国道50号前橋笠懸道路の拡幅について伺います。まず、今後の事業予定についてでありますが、上武道路が平成29年に開通し、伊勢崎方面、渋川方面への通行の利便性が図られましたが、今井町の国道50号前橋笠懸道路と上武道路の交差点においては、桐生方面から渋川方面への乗り入れがいまだできない状況であります。国道50号拡幅事業に伴う上武道路へのアクセス整備を急ぎ、道路網の有効活用を図ることが肝要と考えます。しかし、用地買収については、移転等に伴う空き地が多く見受けられるようになりましたが、工事については着手している様子が見られません。工事開始時期など今後の事業予定についてお伺いいたします。
222 【建設部長(高橋智嗣)】 今後の事業予定でございますが、国土交通省に確認いたしましたところ、上武道路への円滑な乗り入れが可能となるよう、今井町交差点から東へ約400メートルに設置されます新たな交差点までの区間を優先的に工事着手していきたいとのことであり、今年度は二之宮町歩道橋を現在より約100メートル西の場所に設置する工事に着手すると伺っております。今後は、用地買収、埋蔵文化財調査の状況を踏まえながら工事を推進していきたいとのことでございました。市といたしましても引き続き事業推進に協力をするとともに、沿線都市で構成されております国道50号バイパス建設促進期成同盟会による要望活動を実施するなど、早期完成に向けて取り組んでいきたいと考えております。
223 【36番(青木登美夫議員)】 わかりました。よろしくお願いいたします。
次に、用地買収の進捗状況についてですが、事業用地の確保につきましては、前橋市が用地取得業務を受託し、国土交通省の計画に沿って進めていますが、受託された契約業務の範囲で結構ですので、現在の用地買収の進捗状況についてお伺いします。
224 【建設部長(高橋智嗣)】 本市で受託しております用地取得業務の範囲での進捗状況でございますが、契約実績でございます。平成26年度から平成29年度までに62件、1万2,043.74平方メートル、今年度は25件、4,602.65平方メートルを予定しておりまして、面積累計は1万6,646.39平方メートルに達する見込みでございます。国土交通省に進捗状況を確認いたしましたところ、今井町東交差点から二之宮町西交差点まで900メートルの進捗率は平成30年度末までに面積ベースで約75.6%の見込みであり、残り30件とのことでございました。
225 【36番(青木登美夫議員)】 今年度末までの用地買収の取得状況についてはわかりました。
次に、城南支所敷地内整備についてですが、国道50号前橋笠懸道路の拡幅に伴い、城南支所の敷地が削られることによる敷地内整備として、区画面の変更や施設の再整備による駐車場対策のため、敷地南側にある石碑や樹木については再整備後の敷地内への移設を予定していると聞いております。再整備後の駐車場を多くとれるよう、石碑は全て移設するとしても、樹木は由緒あるものを残して、そのほかは移設しなくてもよいのではないかと思いますが、敷地内整備についての考えをお伺いします。
226 【
指導担当次長(林恭祐)】 城南公民館の敷地内整備についてでございますが、城南公民館西隣の消防城南分署が移転した後は建物を解体いたしまして、城南公民館駐車場敷地として再整備していく予定でございます。整備に当たりましては、ご質問にありましたとおり、3基ある石碑については全て移設することといたしまして、樹木につきましてはかつて城南地区内の各町からいただいたという記念樹木のうち、現存する1本のみを移設することで駐車スペースを多く確保したいと考えております。
227 【36番(青木登美夫議員)】 そのようにお願いいたします。
次に、前橋総合運動公園の整備について伺います。まず、管理事業についてですが、前橋総合運動公園に関する補正予算において、温水プールボイラー交換工事及び市民球場男性用トイレ洋式化工事とありますが、その内容についてお伺いします。
228 【
文化スポーツ観光部長(川端利保)】 まずは、温水プールのボイラー交換工事1,185万9,000円の工事内容につきましては、コミュニティプールの水温及び室温の昇温用として通常2基のボイラーで稼働させているところ、そのうち1基が故障したため、入れかえを予定しているものでございます。
次に、市民球場男子トイレの洋式化工事110万円でございますが、市民球場のトイレは昨年度女子用トイレ全3カ所の一部洋式化工事を完了しており、今回男性用トイレ全2カ所の一部洋式化を行いたいと考えております。
229 【36番(青木登美夫議員)】 次に、温水プールボイラー2基あるうち1基を交換するということでありますが、2基稼働しているときでも利用者から水温が低くて入っていて寒いとの声を聞いております。ボイラーも含めて、コミュニティプールの設備全体が老朽化していることも原因ではないかと考えますが、当局の見解をお伺いします。
230 【
文化スポーツ観光部長(川端利保)】 プールの水温調整につきましては、通常期では正午からの開場に向けて2基のボイラーを稼働させ、昇温させておりますが、外気温が極端に低い場合など、通常より1度程度低い温度で開場せざるを得ない場合、利用者から寒いとの苦情が寄せられたことがございました。ご指摘のとおり、コミュニティプールも築30年が経過し、施設及び設備の面で全体的に老朽化が進んでおりますので、今後も安全で快適なプールをご利用いただくため、まずは施設全体の調査等を行い、計画的な改修を行ってまいります。
231 【36番(青木登美夫議員)】 よろしくお願いいたします。
次に、市民球場の改修についてですが、市民球場においては老朽化が進んでいる上、両翼が狭いなどの問題があると認識しております。ことしの夏の全国高校野球選手権大会では、公立の金足農業高校が躍進するなど、近年にない盛り上がりを見せましたが、残念ながら市民球場は夏の高校野球の県予選として利用されていない現状があります。そこで、本市としても市民球場を改修し、さまざまな大会を誘致できるようにすべきと考えますが、当局の考えをお伺いいたします。
232 【
文化スポーツ観光部長(川端利保)】 市民球場につきましては、現在両翼が91メートルと昨今の球場としては狭く、国体基準を満たしておらず、ラバーフェンスにつきましても劣化が進んでいる状況は認識しておるところでございます。つきましては、市民球場を安全に利用していただくため、また国体等の大会を開催できるようにするため、今後は競技団体等のご意見もいただきながら、施設の改修につきまして検討してまいります。
233 【36番(青木登美夫議員)】 市民球場の改修を検討するということですが、改修には多額の予算が必要になると思われますが、そのための補助金等の財源は見込めるのかどうかお伺いします。
234 【
文化スポーツ観光部長(川端利保)】 改修の財源となります補助金につきましては、スポーツ振興くじ助成金及び県の拠点スポーツ施設整備補助金を予定しております。そのうち、県の拠点スポーツ施設整備補助金につきましては、国体等の大会を開催するための補助でございまして、国体基準に合わせるための改修が前提となっており、国体基準を満たしていない両翼の拡張が対象事業となるというふうに考えております。つきましては、両翼拡張に関する詳細設計書が補助金申請にまず必要となりますので、そのための予算要求時期も含め、早急に検討してまいりたいと考えております。
235 【36番(青木登美夫議員)】 補助金、助成金を取り込んでの早期改修を期待いたします。
次に、前橋総合運動公園の拡張事業について伺います。前橋総合運動公園拡張事業については、過去に提言、要望、質問を繰り返し行ってきましたが、おくれている敷地造成や用排水路つけかえなども動きが出てきたと感じております。事業費につきましては、昨年度の国の補正予算を含めて交付額が配分されていると伺っておりますが、今年度に予定されている工事や業務についてお伺いします。
236 【建設部長(高橋智嗣)】 今年度に予定しております工事業務についてでございますが、まず今年度の工事予定につきましては、東駐車場の舗装工事や既存用排水路のつけかえ工事を行う予定でございます。また、あわせて多目的グラウンド予定地の敷地造成及び雨水排水施設、既存公園区域との連絡橋の下部工工事を進めていく予定でございます。業務予定につきましては、クラブハウスの実施設計を当初予算で計上しておりましたが、設置場所の整備状況を考慮いたしまして、建設計画を見直しましたことから、来年度に延期といたしました。
237 【36番(青木登美夫議員)】 それでは、続きまして、今後の工事予定についてお伺いします。
238 【建設部長(高橋智嗣)】 今後の工事予定でございますが、国の交付金配分率の状況にもよりますが、東駐車場の整備を完了させ、また各エリアの敷地造成及び雨水排水施設等の整備を進めまして、これらの基盤整備が完了いたしましたら、順次第二野球場及び多目的グラウンドの整備を進めていく予定でございます。引き続き関係部署と調整を図り、早期完了に向け、事業を進めていきたいと考えております。
239 【36番(青木登美夫議員)】 ご答弁いただきました工事予定のほかにも、約4ヘクタールの多目的広場ゾーンについては芝生広場、遊戯施設、休憩場、スケートボード広場等が計画されておりますので、国の交付金申請を積極的にされて、事業の早期完了に向けて努力されますよう要望いたします。
また、なおまだ未整備の中で雑草の繁茂が毎年問題になっております。拡張予定地の東側、南側の耕作者は精農家が多く、これまでなかった草が大変生えてきていると、そういうことで非常に悩んでおります。根菜類や葉菜類の立派なものをつくっている人たちが大きな悩みを抱えておりますので、今後の雑草対策についてもまだまだ数年かかる問題でありますが、耕作者に迷惑のかからないようにぜひ取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
(15番 小林久子議員 登壇)
240 【15番(小林久子議員)】 最初に、幼児教育、保育の充実について伺います。
まず、待機児解消対策と施設整備についてです。国は、子育て安心プランで待機児ゼロを掲げ、受け皿整備を進めています。しかし、国が進める子ども・子育て支援新制度は、国と自治体の保育に対する責任を後退させ、認可保育所より基準の低い企業主導型保育や小規模保育を中心とし、保育士不足の解決には背を向け、保育士の資格要件の緩和など、子供の発達を保障する保育環境や保育の質を大きく後退させています。ことし4月の前橋市の公私立保育所、認定こども園などの利用定員は7,975人で、入所率は91.3%、待機児は8人と報告がありますが、希望する保育所に入れない、いわゆる隠れ待機児が約150人もおり、その中でも1歳児の割合が多いとのことです。年度途中の申し込みも約500人おり、そして来年度からの幼児教育、保育の無償化による新たな保育ニーズなど、保育を必要とする子供全てを受け入れる体制整備が早急に求められています。そのためにはどの地域や保育所で待機児が多いのかなどを把握するとともに、定員枠を保育園などに要請することなども必要だというふうに思います。また、公立保育所の3歳未満児受け入れの拡大など定員増への対応も必要と考えますが、市は待機児をなくすために今後どのような手だてをとるのか、この点についてお伺いいたします。
241 【福祉部長(松井英治)】 本市におきます待機児童ゼロに向けた取り組みについてでございます。主には入所の情報提供、施設整備による入所定員の増、保育士の確保等に取り組んでいるところでございます。その中でも計画的な取り組みとして重要なものとしましては施設整備による入所定員枠の拡大となりますが、民間施設の整備につきましては、子育て安心プラン実施計画に基づき、3歳未満児の入所枠や地域性など、目標達成効果の影響を勘案し、また国の財政支援等を有効に活用するように優先順位を決定し、取り組んでいるところでございます。また、公立保育所の整備につきましてですけれども、国の財政支援がないという状況でございまして、財源的に大変厳しい状況ではございますが、今年度から東保育所での改修工事を実施いたしまして、平成31年度から2歳児の受け入れを行う予定で準備を進めているところです。
242 【15番(小林久子議員)】 努力されているようですけれども、保育の無償化も含めまして、保育を必要とする子供が入所できない、そのようなことがないように、ぜひしっかりした計画を持って進めていただきたいというふうに思います。
次は、企業主導型保育の地域枠についてです。国は子ども・子育て支援新制度で、小規模、家庭的保育や新たに企業主導型保育を導入し、さらに保育の受け皿の拡大でさまざまな規制緩和を推進しています。企業主導型保育は県内でも昨年8施設から22施設へふえ、本市ではことし3月現在で9つの施設があり、今後もふえていくものと思います。しかし、平成29年度上半期に行った432カ所の調査では、約3割の施設が職員配置や保育内容に関する文書での指導が行われており、中には劣悪な施設でも容易に補助金が支給されるなどの問題も明らかになっています。そのような中で、国は子育て安心プランの改正で企業主導型保育について地域の子供が入れる枠を50%の上限を超えてもよいとしたり、また市町村の利用者支援の対象とする場合、保育の確保の内容に含めても差し支えない、このように改正しています。市の管理、監督も及ばない認可外施設であり、子供にとっては就学前まで継続した質の高い保育を受ける、この上でも問題だというふうに思います。安心、安全が前提の保育の現場で企業主導型保育を地域枠としてカウントするべきではないかというふうに考えますが、見解をお伺いいたします。
243 【福祉部長(松井英治)】 国に提示しました子育て安心プラン実施計画に記載します市町村の利用定員数につきましては、平成30年度からこれまでは含めていなかった企業主導型保育施設の定員数も計上するようにと国のほうから変更の連絡がありまして、本市もその指示に従った形で修正して再提出を行ったところでございます。しかしながら、この修正につきましては、新規保育所の申し込み児童数につきましては企業主導型保育施設は含まないということから、申し込み児童数と利用定員数との不整合が生じているというふうに考えておりまして、この点は課題もあるかと考えております。本市としましては、保育の必要量の確保につきましては、企業主導型保育事業の必要性は認識はしている部分もありますけれども、認可保育所、また認定こども園の定員枠を拡大することも大変重要であると考えて取り組んでいるところでございます。
244 【15番(小林久子議員)】 さまざまな保護者等へ行った調査でも、希望する保育サービスとして公立認可保育所、この希望が一番多くなっているのです。身近な自治体が責任を持って施設や人員配置など、子供の発達に必要な最低基準を設けている認可保育所の整備を中心に進めていくべきだというふうに思います。そのためにも公立保育所、補助金等がないということでしたけれども、確保することを国に求めるなど、ぜひ待機児ゼロへ市の責任として今後も取り組んでいくことを求めておきたいというふうに思います。
次に、保育士確保と処遇改善についてです。待機児をなくすために器をつくっても、保育士確保と処遇改善なしには進まないと思います。全産業平均より月10万円も低い保育士の賃金、さらに長時間、時間外労働が当たり前、こういうことが保育士不足の原因になっているというふうに思います。さらに、保育士配置基準が実態に合わず、賃金を国の基準よりさらに下げて保育士やパートを配置しているために、一層の低賃金をつくり出しており、これらを放置してきた国の責任は重大だというふうに思います。現場は保育士を募集しても集まらない、実習に来た子に園長が直接お願いに行く、しかし面接には来てもらえない、こういう深刻な事態もお聞きしております。保育士確保に向け、東京都では給与に4万円の独自加算を行い、そして千葉県も月2万円の補助を実施しております。埼玉県戸田市では就職準備金として30万円、常勤保育士に年20万円のボーナスを5年間支給する、朝霞市では月1万円の給与加算などを行うとしています。本市もこうした手だてをとらないと保育士の確保がますます難しくなるというふうに思います。国に保育士配置基準の引き上げや給与引き上げを求めるとともに、処遇改善へ市独自の加算制度を創設し、保育士確保に力を尽くすべきと考えますが、見解を求めます。
245 【福祉部長(松井英治)】 本市では、民間保育所及び認定こども園の保育環境の改善に向けた取り組みといたしまして、国の配置基準より手厚く人員配置をする施設につきましては市独自で補助しております。本市の財源も厳しい状況ですので、機会を捉えて国に対しまして配置基準の引き上げを要望してまいりたいと考えております。
また、保育士の処遇改善につきましてですが、国が実施しております処遇改善等加算Iと処遇改善等加算IIを本市でも申請のあった施設において実施しており、公定価格分も含めまして平成24年度と比べまして平成29年度の段階で約11%、プラス最大4万円の改善が行われているというところでございます。
さらに、平成30年4月からは、処遇改善等加算IIの配分方法を見直し、人員配置や賃金体系の実情を踏まえた運用の柔軟化も実施されたところですので、この実績報告による改善の成果等を確認しながら、今後の対応を検討するべきと考えております。
246 【15番(小林久子議員)】 さまざまな努力は行われているということですけれども、国の公定価格自体が低いということや、保育士の配置基準の問題などもありますので、そうしたところをカバーしている部分もあるかと思いますけれども、こうした現場の実態もありますので、しっかりと把握していただいて、ぜひ市としてのさらなる支援策というものを行っていただきたいということを申し上げておきます。
次に、幼児教育、保育の無償化による自治体財政への影響についてです。来年無償化の対象となるのは3歳から5歳児で、ゼロ歳から2歳児は住民税非課税世帯に限定されています。市は保育料軽減策として、これまで第3子保育料無料化や第2子の6割軽減など、国の基準を上回る独自軽減策を実施してまいりました。無償化により自治体の財政負担への影響はどうなるのか、これが大変心配されるところですけれども、国はいまだ示しておりません。しかし、たとえ市の負担がふえることになったとしても、今までの保育料の市の軽減策など、独自施策を後退させるべきではないというふうに考えますけれども、この点の答弁を求めます。
247 【福祉部長(松井英治)】 幼児教育の無償化につきましての自治体財政の影響につきましては、中核市市長会など関係団体が研究しているところでございます。国からいまだもってまだ正式な通知が出ていないという現段階では、どのような影響が出るか判断は難しいという状況でございます。
また、質問のありました市独自の軽減策につきましてですけれども、当然安定した財源を確保するということも必要となりますので、そういう確保をした上で、事業の目的と効果を適切に見きわめた上で判断するべきというふうに考えております。
248 【15番(小林久子議員)】 無償化による自治体財源がどうなるかということはいまだ見えていない中でありますけれども、本市の独自施策を後退させない、さらに前進させる、こういう方向でぜひ進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
次に、来年保育料無償化に伴う給食費の扱いについてです。幼児教育、保育の無償化に当たり、給食費や通園送迎費など実費徴収としているものは無償化の対象から除くことを原則とする方向で給食費が無償化の対象になるかどうか、これが争点となっています。保育所では3歳以上児は副食費など一部無償化の対象となりますが、幼稚園では完全に無償化の対象外になるなどの不公平も生じてしまいます。さらに、保育所の給食費が実費徴収になれば、今保育料が軽減されている低所得の方が保育料が無償化されても給食費を払うことになり、かえって負担増になりかねない、こういう事態も起こりかねません。深刻化する子供の貧困対策や子育て支援策、また食育として給食費の無償化も小中学校などでも広がっております。ぜひ国に幼児教育、保育の無償化で給食費をぜひ対象とするよう強く声を上げるとともに、市独自でも給食費の無償化に取り組むべきというふうに考えますけれども、見解を求めます。
249 【福祉部長(松井英治)】 給食費を含めまして、実費徴収とされている部分につきましては、現在国の子ども・子育て会議で議論されており、結論を出すというふうに話を伺っておりますので、本市としましてもその推移を見守っていきたいと考えておりますし、また国からの正式な通知をもって今後の対応も図っていきたいと考えております。
なお、全国市長会では子供たちのための無償化実現に向けた緊急アピールにおいて、食材料費の取り扱いを早期決定等、必要な財源確保について対応を求めているという状況もありますので、その辺もご理解いただければと思います。
250 【15番(小林久子議員)】 保育の無償化を多くの保護者の方も歓迎しているわけです。現場の声も受けとめていただいて、ぜひ保育の完全無償化に向けての努力を引き続きお願いしたいというふうに思います。
次に、ブロック塀の耐震診断、改修補助制度の創設について伺います。全国でブロック塀の点検や改修の補助制度を創設する自治体がふえております。市は公的施設や学校施設を最優先して行っておりますが、道路に面する民間のブロック塀なども危険なものについては対応が必要だというふうに思います。まして通学路などに面している場合は緊急性が求められます。神奈川県大和市では、ことし7月、道路に面した一般住宅などのブロック塀の建築基準法に対する違法性の有無について無料で診断を行い、違法性がある場合に撤去費を補助する制度を新設いたしました。そして、無料で診断して建築基準法に適合していないと診断されたものには撤去費を補助するということです。事故を受けて、自宅のブロック塀が安全かどうか心配している市民も大勢いらっしゃいます。前橋でもぜひ無料診断を実施すべきというふうに考えます。
あわせて、撤去、改修費の補助ですけれども、静岡県掛川市では小学校の通学路に面する塀、フェンス等を安全な塀に改修する場合などに補助する制度もつくっております。ほかに静岡市、半田市、宇都宮市、相模原市、鎌倉市などを初めとして、多くの自治体がブロック塀の補助制度の取り組みを開始しております。各自治体により予算や補助の仕方はまちまちですけれども、まず実施することが大切だというふうに思います。前橋市でも独自の補助制度を創設すべきと考えますが、それぞれ答弁を求めます。
251 【都市計画部長(井上敬二)】 まず、無料診断についてでございますが、通学路にあります民有地のブロック塀を含めまして、ブロック塀につきましては広報紙やホームページ等を通じて、その所有者等にみずから安全点検を行っていただくようにお願いしているところでございます。また、道路に面するブロック塀について通報があった場合、建築指導課の職員が現地確認を行い、建築基準法や日本建築学会の技術的基準に基づきまして安全性が確保されるよう、また所有者等に常時適法な状態に維持、保全をしていただけるよう注意喚起しているところであり、今のところ無料の耐震診断を行う予定はございません。
次に、民有地におきます危険なブロック塀の撤去及び改修費の補助制度の創設につきましては、ブロック塀を築造する際に建築基準法や日本建築学会の技術的基準に適合しなくてはなりません。この技術的基準は、昭和56年の宮城県沖地震の被害を踏まえ、改正された経緯がございます。この技術的基準以前に築造されたいわゆる既存不適格であるのか、それ以後に築造されたブロック塀であるのか、区別することは難しく、それらに公的資金を投入することは望ましくないと考えております。また、撤去及び改修費を補助するには多額の予算が必要になることも考えられ、今後の課題ではありますが、現時点で補助制度の創設は難しいものと考えております。
252 【議長(
三森和也議員)】 以上で総括質問を終わります。
253 ◎ 委 員 会 付 託
【議長(
三森和也議員)】 ただいま上程中の議案のうち、議案第72号から第83号まで、以上12件については、お手元にご配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
254 ◎ 委員会付託省略
【議長(
三森和也議員)】 お諮りいたします。
ただいま上程中の議案のうち、残る議案第84号から第94号まで及び報告第3号、以上12件については、会議規則の規定により委員会の付託を省略したいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
255 【議長(
三森和也議員)】 ご異議なしと認めます。
よって、議案第84号以下12件については、委員会の付託を省略することに決まりました。
256 ◎ 討 論
【議長(
三森和也議員)】 これより委員会付託を省略した議案第84号以下12件に対する討論に入ります。
討論の通告がありますので、発言を許可いたします。
(23番 長谷川薫議員 登壇)
257 【23番(長谷川薫議員)】 日本共産党前橋市議団を代表しまして、議案第86号 平成30年度前橋市競輪特別会計補正予算及び議案第89号 前橋市介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例の制定についての2議案に対する反対討論を行います。
初めに、議案第86号についてです。本議案は、ヤマダグリーンドーム前橋等運営検討委員会の開催にかかわる費用として11万5,000円の補正予算の計上であります。当局は、委員会の設置目的は民間委託ありきではなく、直営の維持も含めて今後の競輪事業及びイベント等、貸し館業務などのあり方を総合的に検討していくため、あるいは安定的な収益を上げ、競輪事業を将来にわたって維持していくためなどと立ち上げの理由を説明しております。しかし、我が党は以上の理由から現時点での検討委員会の立ち上げには反対であり、この補正予算を認めることはできません。
第1に、今年度内に答申を出すスケジュールでは、拙速に民間委託の結論を導きかねないからです。民間委託すれば、受託業者に対して納付を求める1年間の最低保障額を提案することになると思います。民間事業者は、納付額の確保とともに事業者として独自の利益を上げるために低賃金の従業員を雇用して人件費を抑制するとともに、車券の売上額をふやすためにあらゆる手だてをとって事業運営をするのではないでしょうか。さらに、射幸心を一層高める宣伝が行われ、ギャンブル依存症をふやしかねません。これまで直営を維持してきたからこそ、公営ギャンブルとしての節度が守られながら、利益を前橋市に繰り入れ、施設整備の積立金を着実にふやす努力が行われたのではないでしょうか。日本は既にパチンコや公営ギャンブルを合わせて市場規模が27兆円にも上る世界的にも異常なギャンブル大国になっています。依存症も全国で300万人を超え、深刻な社会問題を引き起こしております。民間活力の導入の名のもとに、ギャンブル性を高めかねない民間委託を含む運営の検討や協議を認めることはできません。
第2に、民間委託には法的な問題が発生するからです。法務省は、従来刑法で罰せられる賭博行為が違法性を阻却するための第1の要件は事業目的の公益性と強調しています。賭博という違法行為を行うが、その収益を住民福祉や住民サービスなど公益のあるものに限定して使うから違法性がなくなり、合法であると認められてきたのです。今全国的に競輪事業の民間委託化が進んでおりますが、委託業者が収益をふやして相当額を超える金額を経営者に支払ったり、株主などに配当するなら違法性が発生するという問題が出てくると思います。
第3に、本市の競輪事業は民間委託しなければならないほどの経営悪化には至っていないからです。車券の売上額は維持されております。平成29年度の車券売上高は約204億円であります。年間58日間開場した本場の売り上げは5億6,000万円で全体の2.7%ですが、売り上げの中心は145億円の場外車券売り場や54億円の電話やインターネット販売であります。当たり券の配当が高くなる車券の導入や場内に観客を入れずに行うミッドナイト競輪などで売り上げを維持してきた結果、実質収支は平成28年度も平成29年度も約3億円の黒字になっています。将来的な経営状況には不安定要素がありますが、現在の収支状況のもとで民間委託によって大幅に経費を減らす緊急性はありません。
第4に、グリーンドーム前橋の2つの基金は、毎年積み立てて平成29年度末で総額34億円ありますが、老朽化が進むグリーンドーム前橋の改修や維持管理の費用を競輪事業だけでの収益で今後とも長期に生み出そうとすること自体に無理があります。また、民間委託によって官製ワーキングプアをつくり出すことがわかっていながら、委託を進めて繰出金や基金をふやそうとすることも賛成できません。
最後に、第5ですが、民間委託によって存続しなければならないほどの競輪事業への強い市民要望はありません。むしろヤマダグリーンドーム前橋を競輪施設として優先利用するのではなくて、市民共有の施設として文化、スポーツ、産業、観光振興など前橋市の活性化に寄与する拠点施設としての利用を市民は求めているのではないでしょうか。今首都圏の自治体で公営ギャンブルから撤退する例が相次いでおります。千葉市は数年前、民間に委託して千葉競輪の存続を目指しましたが、結果として経営改善は見込めないとの判断で2017年度末に廃止いたしました。本市におきましても競輪事業継続の可否について市民参加で検討すべき時期に来ているのではないでしょうか。以上の理由から、本補正予算議案を認めることはできません。
次に、議案第89号についてです。本条例案は、介護保険法の改正によって新たに介護医療院が創設されたために、その設置基準を定めるものです。現在市内には介護療養型医療施設が1施設13床ありますが、国の方針によって2023年度末までには廃止されることが決まっております。介護療養型医療施設は、要介護認定を受けた要介護1から5の高齢者で急性疾患の回復期にある高齢者や慢性疾患の高齢者の方が対象で、介護職員が手厚く配置された医療施設です。病状が安定していても、自宅での療養生活は難しいという方が入所して、必要な医療サービス、日常における介護、リハビリテーションなどを受けることができます。特別養護老人ホームや介護老人保健施設に比べて医療や介護の必要度が高い方を対象にしており、長期の療養生活を送るのにふさわしい住まいの機能が強化され、日常生活上、必要な医療処置や充実したみとりを実施する体制となっております。本市では、昨年度この療養型医療施設に介護給付費として約3,600万円を支出しております。この施設が廃止されて医療支援が弱くなる介護医療院への転換が求められていることを認めることはできません。
また、今医療費で運営されている療養病床は慢性期の高齢者の医療やリハビリを提供しますが、介護認定を条件としていない医療施設です。現在市内の多くの病院に合計408床ありますが、国の医療費抑制方針に基づく県の医療計画によって大幅に減らされて、老人保健施設など介護サービスへの移行が求められています。このように医療費削減を目的に現行の医療や介護サービスを弱めたり排除するような国の方針に追随する本条例制定案には賛成できません。
以上申し上げまして、2議案に対する反対討論といたします。(拍手)
258 【議長(
三森和也議員)】 以上で討論を終わります。
259 ◎ 表 決
【議長(
三森和也議員)】 これより委員会付託を省略した議案第84号から第94号まで及び報告第3号、以上12件を採決いたします。
初めに、議案第86号及び第89号、以上2件を一括採決いたします。
本案は原案のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(起立多数)
260 【議長(
三森和也議員)】 起立多数であります。
よって、議案第86号以下2件は原案のとおり可決されました。
次に、残る議案第84号、第85号、第87号、第88号、第90号から第94号まで及び報告第3号、以上10件を一括採決いたします。
本案は原案のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(起立全員)
261 【議長(
三森和也議員)】 起立全員であります。
よって、議案第84号以下10件は原案のとおり可決並びに承認されました。
262 ◎ 休 会 の 議 決
【議長(
三森和也議員)】 お諮りいたします。
委員会審査のため、あす13日から26日までの14日間は休会したいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
263 【議長(
三森和也議員)】 ご異議なしと認めます。
よって、あす13日から26日までの14日間は休会することに決まりました。
264 ◎ 散 会
【議長(
三森和也議員)】 以上で本日の日程は全部終了いたしましたので、これにて散会いたします。
(午後4時31分)
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